
(おかわりJAPAN 主宰)
私ごとですが、東京から福岡市へ引っ越しし、福岡県のみならず九州の美味しい食べ物に出会い、充実した食生活を過ごしております。
福岡へ引っ越ししてきてびっくりしたのは、明太子メーカーの多さですね。東京にいたころでもそれなりに明太子メーカーを調べてはお取り寄せしていましたが、本場の福岡に来てみたらまだまだ知らない明太子屋さんがたくさん。
そんな明太子激戦区の福岡で、食通の間で評判が高いのが、あき津”の明太子。あき津”の明太子は、業務用の調味液に頼らず自社でダシを取り調味料を合わせて、明太子の漬け液をイチから作るこだわりの明太子メーカーです。
今回紹介するご飯のお供は、あき津”の明太子そのものではなく、明太子を使った「しらすめんたい」です。
製造元のあき津”の成り立ちのストーリーがユニークなので少しご紹介。
あき津”の安田社長は、もともとIT系のシステム会社を経営されていました。会社も順調に成長。話を聞くかぎりでは一般的にいう「成功者」。
そんな安田社長が60歳を前にして、「とにかく美味しい明太子を作りたい」という思いから会社を後任に任せ、美味しい明太子を作るために日本料理店をオープン。ちなみにその時、日本料理は未経験とのこと。
お店の目的はあくまでも「美味しい明太子を作るため」。試作した明太子をお客様に提供しては意見も求めて、さらに試食を作る。
日本料理店を始めて3年後、納得のいく美味しい明太子が完成。お客様のみならず、百貨店のバイヤーからも問い合わせが入るレベルの明太子。その後、日本料理店の売上は順調だったもののお店はやめて、明太子製造業専門のあき津”となりました。
一番のこだわりは、明太子を漬ける出汁。
明太子は「調味液」と呼ばれる味付けされた調味料で漬け込むのが一般的。あき津”の明太子は鰹節や昆布で出汁をとり、醤油や酒といった基本的な調味料で漬け液を手作りします。鰹節・昆布・醤油・酒・みりん・唐辛子などの材料・調味料は、自身で納得いくものを探し見つけてきたものです。
自家製だしにスケトウダラのバラ子を漬け込む。しらすめんたいに使うバラ子は、崩れた明太子を使用するのではなく、しらすめんたいに合うバラ子を使用するこだわり。しらすは大分県佐伯産を使用。
しっとり感のあるしらすの塩味、明太子のプチプチ食感と旨味。一口食べたとき、濃いめに味付けされた明太子の味に慣れてしまっているとモノ足りなく感じるかもしれません。でもそれこそがあき津”のしらすめんたいの魅力だと私は思います。
あまり大きな声では言えませんが、スケトウダラの卵を食べているというよりも、「調味液を食べている」と思える明太子が多々あります。でもあき津゛の明太子は、明太子自体の旨味とまろやかな塩味をしみじみと味わえる。ご飯にのせずともそのままチビチビ食べても美味しい。
ご飯にのせて食べるときのワンポイントですが、刻みのりを敷き、そのうえにしらすめんたい。仕上げに刻みネギをチラして完成。これがめっちゃ美味しい! ぜひ、ご賞味ください。






















取り寄せたい
贈りたい
おいしく食べたい
行ってみたい
食のプロ連載・特集一覧