
スイーツジャーナリスト
長年愛される「定番」スイーツをご紹介する連載、第六回は、「京王プラザホテル」のホテルショップのロングセラー商品「コペンハーゲナー」です。
「コペンハーゲナー」、その由来の謎とは?
「京王プラザホテル」は1971年、日本初の地上160mの超高層ホテルとしてオープンしました。そんなオープン当時から変わらないレシピで作られているお菓子が幾つかあります。その一つが、この「コペンハーゲナー」です。
「コペンハーゲナー」とは、「デンマークの首都・コペンハーゲン風の」という意味。一見すると、フランスで「フロランタン(florentins)」と呼ばれるお菓子に似ているとも思ったのですが、それともまた違った特徴があります。表面に、蜂蜜の香るキャラメルをからめたスライスアーモンドを流して焼き上げる点は同じなのですが、土台の生地の部分がしっかりと分厚く、間にアプリコットジャムを挟んで2層を重ねて焼いた形となっていて、食べ応えがあるなと感じました。
しかも、「フロランタン」とは、フランス語でイタリアの町「フィレンツェ」という意味の名前なのです。一体、このお菓子の発祥の地はどこなのだろう?と首をひねってしまいます。
愛されてきた理由は、手間隙をかけた手作りの味
「京王プラザホテル」の「コペンハーゲナー」は、ホテル内のショップ「フードブティック<ポピンズ>」で、10個入りボックスで販売されています。
「京王プラザホテル」のシェフパティシエ、穐山敏信(あきやまとしのぶ)シェフ曰く、このお菓子を作るのは週に1回。というのも、オーブンに入っている焼き時間がかなり長く、3時間近くもかかるので、毎日作るのが難しいからだそうです。
大きな天板に流して焼いたものを手作業でカット。1枚から約100個が出来、オーブンに天板を4枚入れるので、一度に作れるのは約400個まで。これを1つ1つ透明なフィルムで丁寧に個包装にするのも、手間のかかるところ。10個入り箱に詰めると、週に約40箱しか完成品ができないという計算です。
穐山シェフ曰く、ホテルの初代総料理長は、世界各国の料理を学んでいらしたドイツ人の方だったそう。おそらくその方が、どこかの国で見聞きしたお菓子をもとに、「コペンハーゲン風のお菓子」として、オリジナルで完成させたのではないか、ということでした。
調べてみると、確かに、デンマークにも、アーモンド入りのキャラメルを流して焼くタルトのようなお菓子があるようです。タイムマシンがあったら、初代の総料理長に直接お伺いしたいところですが、そのお菓子がどのように生まれたかあれこれと想像するのも、ロマンがありますね。
「コペンハーゲナー」を味見してみたい!という方は、ホテル内のレストラン「アートラウンジ<デュエット>」で、コーヒーまたは紅茶付きの「コペンハーゲナーセット」を召し上がることも可能です。間もなく、創業から50年を迎える「京王プラザホテル」伝統の味。ぜひ一度、味わってみてはいかがでしょうか。






















取り寄せたい
贈りたい
おいしく食べたい
行ってみたい
食のプロ連載・特集一覧