
スイーツライター
袋を開けた途端にパッとわき立つスパイスの香り!海外のクリスマスを思わせるシナモンやカルダモンの心地よい香りを放つ、その正体はどら焼き。いい意味でどら焼き離れした「干しいちじくのどらエピス」は、はじめて食べたその日から、心奪われ続けているお菓子です。
ブランド名も『月と犬』とインパクト強め。こちらは伊勢神宮内宮参道に店を構える老舗和菓子屋『藤屋窓月堂』と、三重県立美術館に併設するフレンチレストラン『ミュゼ・ボンヴィヴァン』オーナーシェフ出口直希さんのコラボブランドです。「月」は窓月堂から、「犬」は出口さんの愛称“野犬シェフ”から、なのだとか。
「和菓子とフレンチをもっと気軽に」、そんな両者の思いから、イメージしたのは「フランスの片田舎にある老舗和菓子店」という架空店舗。『藤屋窓月堂』の和菓子をベースに、出口シェフの料理やワインの技術を活かした、無二のお菓子が待っています。
『藤屋窓月堂』店主、吉尾雄介さんが以前パリに住んでいたこと、それから、出口シェフがソムリエでもあることから、目指したのは「ワインにあう和菓子」。
ブルゴーニュやアルザスで愛される、スパイスたっぷりのお菓子「パンデピス」をヒントに、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、カルダモン、スターアニスなどを出口シェフが独自にブレンド。波照間島産黒糖と合わせて前代未聞のどら焼き生地を完成させました。
そこに、白ワインや蜂蜜などで煮込んだトルコ産干しいちじくのコンポートをごろっと挟み、抜群の安定感で全てをまとめるのは、『藤屋窓月堂』の北海道小豆の粒あんの奥深くも澄んだ甘み。
頬張ると、ふわふわ生地に粒だつ餡、そしていちじくがプチプチしながらとろけて。餡のほっこりとした甘さを、スパイスが知られざる美味しさへと導くよう。餡にこんな表情があったのかと、再発見に心が躍ります。餡や黒糖、いちじくのコクと、スパイスのキレのバランスもいい感じ。
香りたつどら焼き片手にワインをいくと、もう最高!でも実は、紅茶やコーヒー、フルーティーな日本酒なんかもよく合います(色々試してみた)。好きなようにペアリングして、のんびりと。大人のおやつ時間をゆるゆると楽しめます。






















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