「スパイス」と聞くと、なんだか難しい、種類が多くてわからない…、と感じる人も多いですよね。でも基礎を知っておくだけで活用方法が広がるので知っていて損はしませんよ。
そもそもスパイスは全て“植物”からできています。有名な胃薬の成分には、カレーパウダーのスパイスも入っているので、カレーを食べて二日酔いが治る人が多いのはその作用からなんだとか。スパイスには添加物もなく、組み合わせを変えるだけで無数のメニューを作ることができます。余計なものが入っていないので、身体にやさしく、好みに合わせて色んな味を作り出せるのは楽しさがありますね。
そこで、まずはスパイスの基礎をご説明します。
スパイスの役割は3つ
香りづけと臭み消し、辛みづけ、色づけ、こちらの3つになります。
香りづけ・臭み消し
シナモンやローズマリーなど、そのスパイスそのものの香りを楽しむものです。チャイに入れてシナモンの香りを楽しんだり、マリネにローズマリーを入れると、スパイスがほのかに香り素材の美味しさが増しますよね。
また、臭み消しとして、ナツメグやローリエは、素材の嫌なにおいを消してくれます。ここでのポイントは、熱を加える前にスパイスを入れること。熱によって消臭効果が発揮されるので、加熱後に入れても効果が最大限発揮されません。
辛みづけ
辛みには2種類あります。熱に強い“辛み”と熱に弱い“辛み”です。前者はレッドペッパー、後者はわさびが該当します。カレーや韓国料理など温かい料理に辛みが欲しい時は、レッドペッパーが使われていますよね。また、つけそばに辛みが欲しい時はわさびを使います。アツアツの料理にわさびを使ってしまうと、わさび独特のツンとした鼻に抜ける辛みと風味がなくなってしまいます。普段の生活の中から、自然と辛みを使い分けているんですね。
色づけ
ターメリック・サフラン・パプリカなどです。水に溶けるサフランと、油にとけるターメリック。サフランは炊飯時に水と一緒に入れてOKですが、油にとけるターメリックは油で炒めながら使うようにしましょう。スパイスによって特徴が異なるので、スパイスを使うときの料理の工程はとっても大切です。
そんな万能なスパイスですが、実は日本酒とも相性がいいんです。そこで今回は、スパイスを楽しみながら、いつもと違ったおしゃれに楽しめる日本酒をご紹介します。

日本酒×スパイス 組み合わせのポイント
辛さをリセット&スパイスを引き立たせる
喉ごしさわやかなスパークリングや、香り高く軽快でなめらかなタイプの日本酒と合わせると、辛さのリセット効果が期待できます。また、スパイスの爽やかさが引き立ちます。
米の力強さを感じるコクのあるタイプの日本酒で、スパイスカレーと米の旨みが倍増!
旨みと甘味が持ち味の濃醇なタイプの日本酒は、カレーとお米の旨みをぐっと引き立ててくれます。ラッシー感覚で、食後に飲むのもおすすめです。
スパイスと対照的な「水芭蕉」は、辛さのリセット&スパイスの引き立て役



(左)シャンパン製法でつくられた、世界初の本格的スパークリング日本酒。これが日本酒!?と驚くほどすっきりとした飲み口。1杯目の乾杯としてぴったり!
(右)尾瀬に咲く水芭蕉の花を思わせるやわらかさが特徴です。その香りを楽しむために、ワイングラスでいただくのがおすすめです。スパイスの爽やかさが引き立ちますよ!
米の旨み感じる「龍力」は、お米のごはんとスパイスを使ったカレーにベストマッチ!


(左)生酛らしい心地よい酸と、米の旨みが凝縮した味わい深さを楽しめる特別純米酒。酒米の旨みが米の旨みを引き立て、酸がスパイスの辛さを切ってくれます。ラッシー感覚で食後に飲むのも◎!
スパイスや米の旨みを引き立てるものや、辛さをリセットしてくれるものなど、様々な日本酒がありましたね。今まで、スパイスを使ったの料理に「日本酒」を合わせる、という選択肢がなかったかもしれませんが、これからはちょっと気にしてみると、よりスパイスに合わせて日本酒も楽しめますね。
(監修 日本酒スタイリスト島田律子さん/スパイスコーディネーターマスター 松岡幹夫さん)