『CLASSY』『VERY』 など人気ファッション雑誌で編集者、ライターとして活躍されているarikoさん。季節感溢れる料理レシピや美味しいお取り寄せを、センス溢れる写真でインスタグラム(@ariko418)にて発信し、フォロワー数は17万人(2021年2月現在)を超え、インスタグラムでも大人気の方です。インスタグラムで料理を紹介すると、「レシピを教えてください!」という声も多く聞かれます。
そんなarikoさんが美味しい料理を作るために、普段から当たり前にしている下ごしらえのコツや素材の切り方のポイントなどをまとめた「arikoの美味しいルーティン」(講談社)を出版。arikoさんの人気定番メニューやお店で知った料理のレシピが、エッセイなどとともに掲載されています。
簡単に美味しいものを作りたいという気持ちに寄り添いたい、というarikoさんの思いがたっぷり詰まった一冊で、レシピ本としては珍しい担当編集者さんとライターさんとの対談形式で、arikoさん流の料理を美味しくするコツとレシピがわかりやすく紹介されています。
3人の楽しいお話を聞いているようなちょっとしたライブ感もあり、読者の方が「そう、そこが知りたかった!」と思ったり、気になっていたことがわかりやすくまとめられていて、とっても素敵な一冊なんですよ。
そんな「arikoの美味しいルーティン」の中で、arikoさんのお気に入りのお取り寄せが紹介されています。それが「邦栄堂製麺」さんの商品。鎌倉にある、1953年創業の製麺屋です。主に業務用に卸しているお店ですが、個人でも直接購入もできて、地元でも人気のお店なんです。
arikoさんも、お店に行くと皮と麺を必ずまとめて買って、友達に配ったり、手土産にしたりされるそうです。

今回、arikoさんが邦栄堂製麺さんからお取り寄せしたもの。「水餃子の皮」と「麺(鯛だしスープ付き)」以外の商品も含まれています
そこで今回、arikoさんに「arikoの美味しいルーティン」にも載っていない、邦栄堂製麺さんの「水餃子の皮」と「鯛と利尻昆布の塩ラーメン(スープと細麺のセット)」を使ったレシピを特別に教えていただきました。また、arikoさんが美味しいお取り寄せを探すときに大切にされていることも、一緒に教えていただきましたよ。
もっちもちの触感がたまらない! 邦栄堂製麺の水餃子の皮を使った「水餃子」のレシピ

■材料
・ほうれん草 1把
・ニラ 1束
・えび(殻付き) 200g
・豚ひき肉 100g
・おろししょうが 小さじ1
・水餃子の皮 1袋(約30枚)
※邦栄堂製麺の「水餃子の皮」を使用
A
・サラダ油 大さじ1
・ごま油 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・塩 小さじ1/2
・こしょう 少々
■作り方
1. ほうれん草とニラは1cm長さのざく切りにする。えびは殻をむき、背ワタをのぞく。1尾を縦半分に切ってから2~3つに削ぎ切りにする。
2. ボウルに豚ひき肉とAを入れてよく練る。おろししょうがとえびを加え、ひと混ぜしてからほうれん草とニラを加えて全体をよく混ぜる。
3. 水餃子の皮に2を大さじ1ほどのせ、縁に水をつけて半月に包んでから両端をくっつける。空気を入れないように包むのがコツ。
4. たっぷりの湯に3を入れ、浮き上がるまで4分ほどゆでる。
※お好みで酢じょうゆやポン酢、ラブパク(エスニックソース)などでいただく。
あっさりさっぱりなのに味わい深い! 邦栄堂製麺の「鯛と利尻昆布の塩ラーメン(スープと細麺のセット)」を使った「鯛だしのトマトラーメン」のレシピ

■材料
・塩ラーメン 1食(約130g:麺のみ)
※邦栄堂製麺の「鯛と利尻昆布の塩ラーメン(スープと細麺のセット)」を使用
・トマト 1個
・セロリ 1/3本
・万能ねぎ 適量
■作り方
1. トマトはヘタを取って、8つにくし切りにする。セロリはななめ切りにする。
2. 小鍋に水500ml入れて沸かしてスープの素を溶かす。トマトとセロリを入れ、1分ほど煮る。
3. 別の鍋にたっぷりの湯を沸かし、麺を入れて1分30秒ほどゆでてザルに上げる。丼に入れて2のスープを注ぎ、小口切りにした万能ねぎをふる。
邦栄堂製麺さんの商品には、手作りならではのいい個性があります(arikoさん)
鎌倉に住むご友人に邦栄堂製麺の商品を教えてもらって以来のファンというarikoさんに、その美味しさについてお伺いしました。水餃子の皮は食べるだけではなく、作っているときから嬉しい気持ちになるのだとか。
邦栄堂製麺さんの商品は、どれも手作りなこともあって、それぞれに個性があります。水餃子の皮であれば、小麦の味わいがしっかり感じられて、「皮を食べる」ことをしっかりと意識されて作られています。
手作りで作られた皮は、包み心地が他の皮とは全然違って、羽二重餅みたいなんです。触っているだけで気持ちが良くて、もう癒やされてしまう感じ。それによく伸びて、包みやすいんです。食感もとってもよくて。それでいて価格も安いのもいいですよね。
※水餃子の皮:400円/鯛と利尻昆布の塩ラーメン(スープと細麺のセット):210円

麺は、今回ご紹介した鯛だしスープ付き以外にもいろいろと購入されているそうです。
麺はスープとセットになっていますが、この麺にはどんな味わいが合うのかをしっかり考えた上で選ばれたスープだと思います。麺をしっかりと引き立てる味わいなんですよね。だからそんなに手を加えなくても、とても美味しく食べることができます。
お肉類や野菜炒めといったものを入れてしまうと雑味が出てしまうので、鯛の旨味を出しつつ、あっさり感も楽しめるということと、スープも塩味で透明なので見た目も綺麗になるように考えて、トマトとセロリを選びました。これ以外には考えられない、というくらいマッチしています。
最初は麺だけで購入していたのですが、麺に合わせたスープとのセットがあることを知ってからは、新商品が出るたびに試すようになりました。その中でも特に鯛だしは気に入って買っています。あとはアレンジしやすい醤油味もマストです。担々麺も美味しいですよ。食べるときは肉味噌を自分で作って楽しんでいます。
常に素材のよさをストイックに追い求めているわけではありませんが、今回は特に素材の味わいがとても良いので、それを邪魔しないように心がけて作りました。余計なプロセスを増やして素材の良さを損ねてしまうより、あまり手をかけず、素材そのものの美味しさが味わえるように考えています。

料理を作るときは、全体のテーマを考えて作っています(arikoさん)
arikoさん流のレシピと献立の作り方もお伺いしてみました。そこには意外な秘密がありました。
レシピは、「どうやって作っているんですか」と聞かれたときに、口頭で説明できてわかってもらえるような、簡単なものを作っていることが多いです。ささっと作れて美味しいものが一番いいですよね。
あとは毎日作るものだからこそ、自分の中でイベント性を求めています。今日は居酒屋さん風にしようとかテーマを作って、そのテーマの中で献立のバランスを考えて作っていますね。
たとえば今回のような餃子がメインだったとしたら、今日はテーマを町中華にしよう、じゃぁ町中華にあるメニューの中から他の料理を作ってみよう、とか。パスタがメインだったら、前菜にカルパッチョを作って、肉をグリルしてもう一皿作る。
メニューを考えるのが難しいと思われるかもしれませんが、テーマを立てたら、自分が食べたいものはなんだろう、と考えると困ることはありませんね。家族の食卓の中には自分も含まれているわけですし、もちろん食生活も似通っているので、自分が食べて美味しいものを軸にして考える。だから自分が苦手なものをわざわざ出すということもありません。
作りおきのものを出すときでも、盛り付けを工夫したり、柚子皮をちょっと乗せてみたりとか、出すときに相手の食欲が湧くようなひと工夫するようにもしています。
とは言え、同じような味わいになってしまったり、さまざまなバリエーションや味わいを作り出すのは大変なのではと思いきや、自分が作る料理や味について客観的になるような工夫もされているそうです。
食いしん坊ということもあって、外食の機会も多いです。あと、インプットがない状態で、毎日自分の料理だけを食べていたら、やっぱり飽きてしまうじゃないですか、自分の料理にも。だから作るだけではなく外食もして、いろいろなものを食べています。
そのたびに自分の舌というか、味わい方みたいなものがリセットされて、普段自分が作って食べている料理の味わいがどういったものなのかが客観的にわかるんですね。
もちろん美味しいお店もあれば、自分の味覚やセンスとはちょっと違うお店に出会うこともあります。でもそういうお店も含めていろいろ食べていると、味について自分の立ち位置みたいなものがわかるようになります。
お取り寄せは、ちゃんと味で勝負しているお店の商品を選ぶことが多いです(arikoさん)
美味しいものが大好きというarikoさんは、よくお取り寄せをされていて、『オレンジページ Cooking』や『CREA』などの人気雑誌やインスタグラムなどでもご紹介されています。そこで美味しいお取り寄せを探すときに、大切にされていることを教えていただきました。
よくお取り寄せしているのは、大量生産していないもの、でしょうか。取り寄せる側にとっては便利なのかもしれないのですが、しっかりとしたホームページがあって、売る気満々というお店よりは、ファクスや電話でしか注文できないようなお店はとても気になります。唯一無二なものを実直に作って、ちゃんと味で勝負しているお店が好きですね。
商品も、コンセプトやストーリー性、パッケージの美しさなどよりも、その商品だけを何年も作っているお店のものとか、季節限定でそのお店でしか作ることができないようなものとかを選ぶことが多いです。
自分で見つけるのはもちろん、食いしん坊なお友達が多いので教えてもらうことも多いです。手土産で渡したりすると、そのお返しとして、また美味しいものをいただいたり。インスタグラムでつながっている方々の投稿から見つけることもありますね。
お気に入りのお取り寄せを見つけてインスタグラムなどで紹介すると、お店に注文が集中することもあるそうで、ちょっとしたお悩みもあるそうです。
いわゆる宣伝のようなご紹介はしていませんが、ご紹介すると喜んでいただけるお店もあれば、大量に注文が来てしまったために驚かれてしまうお店もあって、なかなか難しいところはありますね。いまはお店の方が喜んでいただけそうであれば、ご紹介しています。
ご紹介するときは、ただ商品をご紹介するのではなく、ひと工夫して、こんなふうに食べている、ということがわかるようにしています。そうすることで読者の方はもちろん、お店の方からも「(自分たちの商品が)そんな風に使えるんだ」「そんな食べ方があったのか」と喜んでいただけますし。
美味しいお取り寄せをたくさんご存知のarikoさんは、手土産上手としても有名。そんなarikoさんの手土産の選び方は、「相手が喜んでもらうことをしっかりと考えること」。
手土産を選ぶときは、相手がどういうものが好きなのか、どういう感じで召し上がるのかなど、まず相手のライフスタイルを考えた上で、喜んでいただけるものを、手持ちのリストから選んで持って行きます。
たとえばりんごジュースでも、従業員さんが多いレストランに持って行くなら、おそらくまかないのときに飲まれるかなと思って、1本ずつ分かれて入っているセットものではなくて、そこでみんなで分けて飲めるような大きな瓶のものを持って行く。大きな瓶のものを持って行っても、なかなか飲み干せないようなご夫妻であれば、1本ずつ分かれているものを持って行くとか。
お仕事の合間にちょっと甘いものがあったらうれしいだろうな、と思ったら、甘いものを持って行く。料理をするようなママ友であれば、調味料を持って行くこともありますね。
もちろん相手のことをまだよく知らないこともありますが、そんなときはいわゆる「鉄板もの」を持って行きます。
arikoさん、ありがとうございました! 「arikoの美味しいルーティン」でも、邦栄堂製麺の餃子の皮と麺の美味しさついて紹介されています。併せて焼き餃子と担々麺のレシピが掲載されていて、焼き餃子はたね・包み・焼きのそれぞれのコツが、担々麺は美味しい肉味噌を作るコツが紹介されていますよ。ぜひ手に取ってみてくださいね。
■邦栄堂製麺
住所:〒248-0007 神奈川県鎌倉市大町5-6-15
電話:0467-22-0719
営業時間:10:00~16:00
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)・火曜日
※お取り寄せは、お電話またはメール、インスタグラムのメッセージにて。詳しくは邦栄堂製麺のインスタグラムをご確認ください。
(カメラマン:キッチンミノル/スタイリスト:YUKO)