
スイーツジャーナリスト
大人になるにつれて、和菓子の魅力に目覚めましたが、さすがに、あんこだけをパクパク食べるほどの“あんこ党”ではないな、と思っていました。
しかし、この品に出会い、気づけば瓶を傍らに置き、もう1匙、あと1匙と止まらなくなっていました。しかも3種をぐるぐるとローテーション。これはやられた!と思わず唸った「スパイスあんこ」です。
明治17年創業、東京・銀座の老舗和菓子店「空也(くうや)」5代目の山口彦之氏と、東京・自由が丘のミックススパイス専門店「香辛堂」とのスペシャルコラボレーションで誕生。
もともとスパイス好きですが、あんこにスパイスがこれほど合うとは、目からウロコの嬉しい大発見でした。
私がいただいたのは2021年11月に発売開始となった当初の3種。蓋を開けたら、まずは味を見る前に、香りを堪能してください。
世界の各地をイメージして調合されたスパイスの様々な香りの要素が絡み合い、ふっくら艶々に炊かれた粒あんの小豆の香ばしさとあいまって、心身がすっきりと癒されるよう。いつまでも嗅いでいたい気持ちになります。
「#01 COLOMBO BLEND」は入門編。カルダモンを軸に、オールスパイス、キャラウェイをブレンド。
五千年もの歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療「アーユルヴェーダ」の本場、スリランカの都市コロンボから名付けたそう。上品で甘く爽やかなカルダモンの香りが清々しい!
「#02 MO ROCCO BLEND」は、中近東・アフリカ・ヨーロッパの文化が入り混じるモロッコのイメージで、「スパイス好き、通にはたまらないミステリアスな逸品」だそう。
ブラックペッパー、コリアンダー、ブラウンマスタード、キャラウェイ、アニス、カルダモンに、アジョワンといったあまりなじみのないスパイスまで、確かに複雑。
ピリッとする刺激やアニスなどの個性ある香りの後味に、華やかなラベンダーの香りがふわりと立ち上がるのにも心惹かれます。
「#03 GREECE BLEND」は、ギリシャのイメージで、オレガノ、ローズマリー、カルダモン、フェンネルといった、地中海料理に欠かせないハーブ系の爽やかで清々しい風味が特徴でした。
優しい香りを生かすため、マイルドな味わいのこしあんと合わせたそう。ギリシャチーズの「フェタ」に添えても、白ワインとも違和感なくなじむ、これまでに無い驚きのあんこでした。
3つ目の味は、今後、新たなブレンドの「スパイスあんこ」味が誕生したら、入れ替わっていく予定だそうです。あんこの新しい可能性がさらに広がりそうで、楽しみですね。
使い方は、「トースト、ぜんざいにはもちろん、ホットミルクやヨーグルトのトッピングにも」とあり、確かに、チャイのようなイメージで、乳製品とよく合います。牛乳でのばして温かいぜんざいにしてもいいですね。
スコーンとの相性もよく、有塩バターやクロテッドクリーム、サワークリームなども一緒に塗ると、これまたやめられなくなる組み合わせ!
食べる時は、普段より呼吸を意識して口の中に多めに空気を送り、鼻から抜くようにして味わうと、香りがいっそう豊かに広がります。
あなたも、「スパイスあんこ」の沼にはまってみませんか?






















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