世界では、1000種類以上も種類があるといわれているチーズですが、日本で一般に広がっているチーズのタイプは主に6種類に分類されます。
そこで、基本となる6種類のチーズの特徴、意外と知らない購入時の選び方、保存方法についてご紹介します!
フレッシュチーズ
熟成させていないチーズで、さっぱりとしたミルキーな味わいが特徴。できるだけ新しい、真っ白なチーズを選ぶのがコツです!また、鮮度が重要なチーズのため、保存はあまり考えず、できるだけ早く食べきりましょう!

代表的なチーズ:フロマージュ・ブラン、フレッシュモッツァレラ、リコッタ等
白カビチーズ
表面に白かびを生やして熟成させたチーズ。「カビ」という名前がついていますが、中身は柔らかく穏やかな風味のチーズです。
基本的には、表面が変色しておらず、断面が見える場合には「芯」が少ないもののほうがおすすめです。また、クリーミーでクセのあるチーズがお好みの方は、賞味期限の近いものが逆にねらい目です……!
切り口からチーズが流れ出るようであれば、アルミホイルを数回折って切り口に当て、全体をラップで包んで冷蔵庫で保存!ラップは2~3日ごとに取り換えることをお勧めします!

代表的なチーズ:カマンベール、ブリ・ド・モー、ブリ・ド・ムラン等
青かびチーズ
チーズの中に青かびを植え付け、繁殖させ熟成させたチーズ。味わい、匂い、クセともに強く刺激的なものが多いです。
青かびチーズは、水分が出てビチャビチャになっていないものが大前提!また、カビや生地自体が茶色くなっていないチーズを選んでください。
青かびチーズの保存で一番重要なのが、水分をしっかりふき取ってあげることです。
キッチンペーパーの上に暫らく置いて余分な水分を取り除いてからアルミホイルで包んだ後、ラップで包んで冷蔵庫で保存します。2~3日に1回キッチンペーパーを交換できると美味しさを保つことができます!
代表的なチーズ:ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、スティルトン等
ウォッシュチーズ
塩水や酒等で表面を洗ったり拭いたりしながら熟成させたチーズ。匂いが強いものが多いですが、中身にはコクが生まれ、ソフトでなめらかに仕上がります。
表面の色が綺麗なオレンジ色で、茶色く変色していないものを選ぶのがおすすめです。
カットされている場合は、そのままラップに包んで保存。箱等に入っていたものは、上からラップし、爪楊枝等でラップに空気穴を数か所開けてから冷蔵保存します。
代表的なチーズ:エポワス、ラングル、タレッジョ、マンステール等
シェーヴル(山羊乳チーズ)
山羊のミルクを使って作るチーズ。若いチーズには酸味があり、熟成とともにコクが増してくるので、お好みで選べるのも特徴です!
赤・黒・黄のカビが生えていないものを選んでください(白・青・ブルーグレーはOK)。また、獣臭が強すぎず、色がくすんでいないものがおすすめです。
チーズ用二重紙等、通気性のある紙に包んで冷蔵庫で保存。冷蔵庫への臭いが気になる場合は、さらにタッパー等に入れておきます。
※チーズ用二重紙は、チーズ専門店等で購入できることがあります。

代表的なチーズ:(クロタン・ド・)シャヴィニョル、サントモール・ド・トゥーレーヌ、シャビシュー・デュ・ポワトー等
ハード&セミハードチーズ
ハードチーズとセミハードチーズの違いは、カード(凝乳)の加熱具合!約40℃以上に加熱したものはハードチーズとなり、40℃未満で作られたものはセミハードとなります。
ハードタイプは、表皮も固く中身もしっかりとしていて、パルミジャーノ・レッジャーノなどが有名!
セミハードタイプは、中身がむっちりしたもの、味わいの優しいものが多く、ルブロションなどがあります。
どちらも、表面が荒れておらず、カットした断面に亀裂がないものがおすすめです!
チーズ用セロファンまたはラップに包んで冷蔵庫で保存。

代表的なチーズ:(ハード):コンテ、パルミジャーノ・レッジャーノ、グリュイエール等
(セミハード):ルブロション、ラクレット、サン・ネクテール等
番外編:パスタフィラータ・タイプ
代表的なチーズは、モッツァレラ、カチョカヴァロなど、それぞれフレッシュタイプ、ハードタイプ等に分類される事もあり、日本でも人気のチーズです!
いずれのチーズも、2~3日に一度は取り出してお手入れするのが大切です!(フレッシュチーズを除く)
チーズは生き物で、密閉された場所や湿度の高いところを嫌がります。適度に呼吸させてあげ、水分が出ていれば取り除き、カビが生えているところもあれば削り取ります。
おいしいチーズを見つけ、長く美味しく味わうために……!ぜひお試しください!

(チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰)
旅行会社勤務を経て渡米。ナパバレーやバークレーでの料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。Simple & Natural をモットーとするレシピに質の良い食材は欠かせず、美味しいものを求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、All About等の媒体でチーズについての記事を執筆。最近では、スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。