
和菓子女子
こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介するこの連載。第20回目は、富山県にある大野屋さんの「越の家歌餅(こしのやかもち)」を紹介します。
まだまだ寒いといえども暦の上ではすっかり春。街中もずいぶん春めいてきました。バレンタインやホワイトデーをはじめ、何かと贈り物が増えるこの季節、何か素敵なお菓子はないかなと探していたときのこと。
以前食べたお菓子がとてもおいしくて、そういえば他にどんなお菓子を売っているんだろう?とふらっとHPに足を運んだのがきっかけで、今回のお菓子に出会いました。
1300周年と180周年を記念した特別な和菓子
以前食べたことがある、大野屋さんの「とこなつ」。白あんと和三盆がやさしく口の中で溶けていったのがとても印象的でした。とこなつの名前の由来は、大伴家持が読んだ歌に因んでいます。今回紹介する「越の家歌餅」は、大伴家持生誕1300周年と大野屋さんの180周年を記念して作られた新作のお菓子です。

パッケージの種類は「かたかごの花」「ほととぎす」「桃の花」の3種類。富山で大伴家持が詠んだ万葉集の歌がイメージされたパッケージとなっています(通販では自分の好きなパッケージを希望することができます)。

パッケージの裏面にはそれぞれの歌も書いてあり、「あー、なるほどそういうことか!」と、お菓子を食べる前にその情景をイメージすることができます。昔と今がつながるこの感じ、歴史好きにはたまりません…!

ちなみに私は「桃の花」がお気に入りです。

極小黒大豆を使ったきな粉は新感覚の香ばしさ
「越の家歌餅」は富山県産のもち米、極小黒大豆と、最上級の沖縄県産黒糖蜜が使われています。中でも、極小黒大豆は栽培するのが難しく、絶滅したこともあるんだとか。一般的な黒大豆に比べ風味豊かなのが特徴です。

1つの包みにお餅は2個入り。袋を開けた瞬間香ばしいきな粉の香りが広がります。お餅の外側にまぶしてあるきな粉にも極小黒大豆が使われているそう。パクッと食べると、きな粉の風味が口いっぱいに広がります。こんなに香ばしいきな粉食べたことがない!

中からは輝く黒蜜が顔を出し、お餅、きな粉と絶妙に絡み合います。さらに食べ進めるとほくっとした黒豆はいいアクセント。次から次とおいしさの波が打ち寄せてきます…!
お菓子を贈る相手をイメージしてパッケージを選ぶのも、なんだか日本らしくて素敵。富山の魅力がギュッと詰まった粋なお菓子でした。