
(スイーツプロデューサー)
寒い冬が終わりを告げ、間も無くやってくる春。この時期なんといっても気分を高めてくれるのは、お花をモチーフにしたスイーツです。
美味しさだけではなく、見た目やシェアしたくなる焼菓子をご紹介するこの連載。第28回目は、フランス菓子 タマミィーユの「スズランの雫」をご紹介します。缶に入ったスズランの形のマカロンラスクは心華やぎ、ひと足早く春を感じられるはず!
缶との出合いがきっかけで生まれた「スズランの雫」
スズランと妖精がデザインされた美しいエメラルドグリーンの缶は、まるで小さな宝箱のよう。缶のサイズは直径10cm×高さ3.5cmで、食べ終わった後も小物を入れて大切に残しておきたくなります。

こちらの缶は、歴史ある製缶メーカーの大阪製罐(せいかん)株式会社が展開している菓子缶販売部門「お菓子のミカタ」が手がけたもの。長年培ってきた製缶技術を活かし、見た目にもこだわった缶は「パッケージ買いしたくなる!」とたちまち話題になりました。
フランス菓子 タマミィーユのオーナーである柳 正司さんも、そのデザイン性の高さに魅了された一人で、缶のデザインからインスピレーションを得てお菓子を生み出す商品作りに着手。「お菓子のミカタ」の缶との出合いによって「スズランの雫」は生まれたのです。
サプライズあり!一つ一つ手絞りで丁寧に作られたスズラン型のマカロンラスク
蓋を開けるとスズランの形のマカロンラスクがぎっしり。「缶のデザインに合わせて、中身はスズランの形のお菓子にしたい」という思いから、一つ一つ柳シェフの手で丁寧に絞って作られるこだわりよう!鈴のような小さな花の形は可憐で心ときめきます。

さらに中には一つだけハートの形のマカロンラスクが隠されているサプライズが!

スズランの花言葉は「再び幸せが訪れる」。幸せを運ぶシンボルとされる妖精が、ハート(愛情)までも届けてくれるというハッピーな世界観が小さな缶の中で繰り広げられています。
もう一枚、とつい手が伸びる悪魔的な美味しさ
「スズランの雫」の為に考案したレシピは、原材料から製法までこだわり抜いています。スペイン産の香ばしいアーモンドプードルを贅沢に使用し、味が単調にならないようアクセントにゲランドの塩を入れて奥行きのある味わいに。

低温でじっくりと3時間焼成されたマカロンラスクはカリッと軽く心地いい歯ごたえ。噛みしめると、サクサクと砕け、口いっぱいにアーモンドの豊かな香ばしさが広がります。まさに、食べたら止まらない悪魔的な美味しさ!
飽きのこない食感と味なので、一度食べたらもう最後……あっという間に食べ終えてしまいました。
小さくパクッと食べやすいサイズ感なので、子供からお年寄りまで幅広い世代の人から好まれています。

宝箱のような缶入りスイーツが人気の正統派パティスリー
フランス菓子 タマミィーユは、1996年に千葉県八千代市にオープンしたパティスリー。オーナーの柳さんは国内外の洋菓子のコンクールでも実績をあげてきた腕利きのシェフです。街の洋菓子店からホテル、フランスまでさまざま修業してきた技術を駆使して生み出されるお菓子は表情豊かで、地元の人に愛されています。

なかでも1番人気なのは今回ご紹介した「スズランの雫」。2017年頃から販売し、今では全国から注文されるほどの商品に。プレゼントやウエディングの引き菓子として大変人気があります。
ほかにも「お菓子のミカタ」の缶を使った商品は約15種あり、バタークリームケーキを入れたものなど珍しいものも! 柳さんの尽きぬ探究心で新たな世界観を開拓し続ける缶入りスイーツをぜひチェックしてみてください。
やさしい春風に揺れるスズランのようなマカロンラスクを食べたら、幸運が舞い込んでくるはず。