長年愛される「定番」スイーツ紹介の連載第57回は、北海道・札幌に本店のある「雪印パーラー」の「スノーロイヤル」をご紹介します。昭和天皇・皇后両陛下のために作られた特別なアイスクリームが大人気!実は、お取り寄せでも楽しめるのをご存知ですか?
「雪印パーラー」の名物「スノーロイヤル」とは?
私が初めて1人旅で北海道を訪れた社会人1年目の夏休み、観光ガイドブックを熟読して予習する中で、ぜひ行ってみたかった場所の1つが、札幌市内の「雪印パーラー」でした。ここでしか食べられないという特別なアイスクリーム「スノーロイヤル」を味わいたいと、楽しみにしていました。
「雪印パーラー」札幌本店は 、昭和36年(1961年)創業。現在の「雪印メグミルク株式会社」のグループ会社として設立されました。2017年に現在の場所に移転オープンとなり、より広々とした空間で食事を楽しんだり、お土産を選んだりできるようになったそうです。
大人気のアイスクリーム「スノーロイヤル」は、1968年8月、北海道百年記念式典に際し、昭和天皇・皇后両陛下のために特別に作られたもの。宮内庁より“最高のアイスクリームを”との依頼を受け、様々な配合による2年間の試作の結果、かつてないタイプのアイスクリームを完成させたそうです。
北海道ならではの「乳」本来の風味を追求し、まさに「royal(王の、高貴な)」という言葉が似合う濃厚なアイスクリーム。私も、念願叶って「雪印パーラー」の喫茶で食べられた時は、とても感動しました。
お取り寄せできた想い出のアイスの味
そんな、「雪印パーラー」限定の特別なアイスクリームを、お取り寄せでも味わうことが出来るというのを、最近になって知りました。
早速、記憶の中の、あのアイスクリームの味を確かめてみることに。140ml入りカップ10個セットを注文しました。
蓋を開けると、真っ白な色が目にまぶしく飛び込んできます。卵が入っているアイスクリームだと、もっと黄色い色をしていますが、「スノーロイヤル」は「乳」の味わいを主役とするため卵が入っておらず、まさに雪のような白色。
また、ドライアイス付きで届いたアイスは、すぐに食べようとしても硬すぎてスプーンが入りづらいことが多いのですが、このアイスは最初から程よくやわらかく、力を入れなくてもスプーンがすっと入ります。口にすると、濃密ながら、ふんわりと空気をたっぷりと含んだ質感。まるでソフトクリームを思わせるようなリッチななめらかさに驚かされます。
乳脂肪分は15.6%と、かなり濃厚。無脂乳固形分は8.5%。乳脂肪分が多いとなめらかになりますが、多すぎても固まりにくく、口当たりを損なってしまう。無脂乳固形分は風味にコクを与えますが、多すぎると冷凍時に乳糖が結晶化し、ザラザラした食感になってしまうそう。両者のバランスを試行錯誤して出来上がった、まさに「乳」が主役のアイスクリームの味に、改めて感動しました。
家で自分流にアレンジして楽しんで
「スノーロイヤル」は、ぜひ、カップ入りのままで食べるのではなく、カップからお皿によそって、素敵に盛り付けて、優雅な気持ちで楽しんでください。
喫茶で様々なアレンジメニューが提供されているように、季節のフルーツを添えたり、ちょっと豪華なパフェに仕立てたりと、自分だけのスペシャルな一工夫で楽しむのもいいですね。