大福といえば、中に小豆を使った餡が入っているのが一般的ですが、いちごやみかんなど季節に合わせたフルーツを使った「フルーツ大福」も人気が集まっています。生地のお餅は薄めに仕上げ、少なめの餡、そしてその中にジューシーなフルーツがまるごと入って、フルーツのジューシーさを楽しめるのが人気の秘密。味わいも、フルーツの酸味を生かし、甘さを控えめにしたものが多いのが特徴です。
その中でも今回、春におすすめしたいフルーツ大福が、桃花亭の「桃福」です。
途中で間引かれた「幼桃」を使ったフルーツ大福
桃花亭の「桃福」の中に入っているのは、桃を育てる際に間引かれていた「幼桃」。
おいしくて立派な桃を育てるためには、成長途中の桃を間引いて捨てる必要があります。しかしおいしい桃を育てるためとはいえ、かなりの量を捨ててしまっていたそうで、この間引いた幼桃を「何とか美味しく食べることができないだろうか」との思いから、さまざまな試行錯誤を繰り返したそうです。その期間、なんと約2年。そしてようやくたどり着いたのが「幼桃の蜜漬け」でした。
幼桃の表面についている産毛を丁寧にとりのぞき、100日間じっくりと蜜に漬込んでいます。そうすることで幼桃のえぐみが取れ、芯までやわらかく仕上がります。こうして出来上がった幼桃の蜜漬けをまるごと紅あんでみ包み、大福に仕上げたのが「桃福」です。
コリッとした食感と桃の風味がたまらない
個包装された袋から取り出すと、うっすらピンク色が透けて見える大福が入っていて、軽くふんわりと桃の香りが漂います。これだけでもう「おっ!」と思ってしまいます。そして口に入れると、やわらかなお餅としっとりした紅い餡がとろけあったかと思うと、その瞬間「コリッ」とした幼桃の歯ごたえ。そしてその瞬間、さらに桃の香りが口いっぱいに広がります。
幼桃の蜜漬けは甘さ控えめで、紅餡とのバランスもちょうどよく、あっという間に食べきってしまいます。その味わいと香りで、食べた後には「春だなぁ」と、しみじみ思ってしまいます。
おいしさはもちろん、お餅の白、餡の紅、幼桃の緑がとてもかわいらしい色合いで、そして「桃福」というおめでたい名前もあり、ギフトやおめでたい席にもぴったり。やわらかな大福の中から、コリッとした食感の幼桃が出てくることでちょっとした驚きもあり、持ち寄り会や手土産に持っていけば、きっと話題になりますよ。





















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