
全国各地で桜が満開となりましたね。ゆっくり花を愛でるのも良いですし、みんなでわいわい盛り上がるのも楽しい、とても心躍る季節です。今回は、そんな春にぴったりな和菓子、恵那川上屋の春限定の「里長閑(さとのどか)」をご紹介します。
春爛漫を感じる上生菓子
「里長閑」は、この時期だけの春限定きんとんです。上質な旬の栗を栗餡に加工し、栗のとれたての風味を保ったまま優れた技術で凍結保存したものを使っています。
蒸して裏ごしされ、丁寧に炊き上げた栗餡に、種子島の自社工房で新鮮なサトウキビから作られた黒糖が加わります。この「栗餡」を岐阜県産の自然薯と大和芋を蒸して砂糖と炊き、白餡を混ぜた生地「練り切り」で包みます。
こうして出来た「栗きんとん」が、早春に花開く梅や恵那地域に咲くシテコブシと春の花の定番である桜をモチーフに作られた特製の木型で型押しされ、まっさらな純白の「練り切り」が出来上がっていきます。そしてここに、希少な国産の桜花塩漬と桜葉塩漬をもとに、恵那市山岡町で収穫された山桜のハチミツで作る「桜のジュレ」がワンポイントに添えられます。
恵那川上屋の本社から見える優美な恵那山とその裾から望む広大な里山の春の景観が見事に表された繊細な上生菓子です。素材から形まで、まるで風景画を描くように丁寧に作られたこの「里長閑」は、目で見るだけでも花満開の穏やかな里山の春をしっとりと感じることができます。
春を告げる暖かな味
こうして端正こめて作られた「里長閑」は、春色に染まった大自然の恵みが口いっぱいに広がる栗きんとんです。
こだわりの自社製黒糖の風味によって、まるで和三盆糖を入れたような繊細で、上品なコク深い甘みをもつ「栗餡」を味わうことができます。その「栗餡」を包む岐阜県産の自然薯を加えた「練り切り」は、さらさらと口の中で溶け、土の素朴な香りをまとい、よりいっそう餡の風味を引き立ていて、大地の息吹を感じさてくれる優しい味わいです。
そして「桜のジュレ」桜花の香りと甘酸っぱさが、春風を思わせる爽やかな味で、豊かな風味がさらに口の中でふわっと広がり、とっておきのアクセントになっています。
滑らかでほろっと溶ける淡い口どけ、奥行きのあるすっきりとコクのある甘み、優しく繊細な桜の風合いを添えた「里長閑」は、一口入れるだけで、颯爽と春の訪れを感じることができます。
「里長閑」は、花盛りの恵那の里山の春の景観を見て触れて味わえる、この時期にぴったりの珠玉の一品です。ぜひ暖かな春をじっくりたっぷりと堪能してください。



















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