チーズは魔法の食材!そんな風に私は思っているのですが、実際、チーズを使うとあらゆるお料理が美味しくなるし、加熱してとろ~り溶けたチーズは、食欲を激しく刺激します。そのまま食べて良し、料理に使っても良し。しかも栄養豊富で体に良くて保存も効く。そして、食べた人みんなを笑顔にする…。 そんな食材はなかなか無いと思うのです。
今回はそんなチーズをもっと楽しんでいただける、「これぞ王道!」というチーズ料理レシピをご紹介します。
チーズ料理と言えばまずはこれ!みんなで食べたい「チーズフォンデュ」

チーズ料理と言えば、まず思い浮かべるのがチーズフォンデュ! 山のハードタイプチーズを溶かしてパンや野菜とからめる、スイスを中心としたアルプス山脈一帯の郷土料理です。
広大なアルプス山脈は、スイス、イタリア、フランス、オーストリアにまたがるため、各地方ごとに使うチーズやレシピが違ったりしますが、今回は私がよく作っている作りやすいレシピをご紹介します。
<材料:2人分>
・ナチュラルチーズ 300g~
※グリュイエール、エメンタール、コンテ等のハードタイプがおすすめ。シュレッドチーズ(ナチュラルチーズを細かく切ったもの)を使っても。
・白ワイン 100cc
・にんにく 1片
・コーンスターチ 小さじ2
・ナツメグ 少々
・バゲット(ひと口大にカット) 適宜
・茹で野菜やウインナー等、好みの具材
<作り方>
1. にんにくを半分にカットし、切り口を鍋肌にこすり付けて香りを移す。使ったにんにくはそのまま鍋に入れてしまう。
※鍋はフォンデュ用のものがあれば理想的。
2. 白ワインを鍋に注ぎ入れて火にかけ、沸騰させてアルコールを飛ばす。
3. 白ワインを火にかけている間に、チーズが溶けやすいように細かくカットし、コーンスターチをまぶしておく。
4. 鍋にチーズを加え、時々混ぜながらチーズを溶かす。
5. チーズが溶けたらナツメグを加え、卓上コンロでごくごく弱火で温めつつ、バゲットや具材をフォークで刺してチーズをからめていただきます!
とろ~~り感で人気急上昇♪フライパンで楽しむ「ラクレット」

チーズ名でもあり、料理名でもある“ラクレット”。大きなラクレットチーズを半分にカットし、その切り口を暖炉の炎にかざしてとろけたところをざ~っとナイフで削り取っていただく、豪快なアルプスの料理です。そのとろ~~りとした様子に食欲を刺激され、近年、ぐんぐん人気が高まっていますね。ラクレットが食べられるお店もかなり増えてきました。
そんなラクレット、お店の様に豪快には作れなくても、ご家庭でも手軽に楽しめます。卓上ラクレットオーブンが市販されているのでそれを使うのも便利ですが、キャンドルタイプも電熱式も火力が弱いものが多く、腹ペコ時には待てない事も…… そんな時に活躍するのが、ご家庭にあるテフロンのフライパン! ぜひ試してみて下さい。
<材料>
・ラクレットチーズ 150~200g/1人当たり
※専門店で塊を買うのも良いですが、スライスされたラクレットが販売されているので、それを使うのが便利です。また、シュレッドチーズ等で代用する事もできます。
・茹でたじゃがいも 適宜
・お好みで茹で野菜やパン、ウインナー等
<作り方>
1. テフロンのフライパンを弱めの中火にかけ、チーズを入れる。
2. チーズがぐつぐつととろけてきたら、皿に盛った具材にざ~っとかけていただきます。お好みで胡椒をふったり、ピクルスを添えます。
切って焼くだけのお手軽料理「チーズステーキ」

外はカリッ!中はとろ~っとしていて、いくらでも食べられそうなのが「チーズステーキ」。その美味しさにビールがすすむ、キケンな一品です。
作り方は、極々シンプル。1~1.5cmの厚めの輪切りにしたチーズを、油をひいていないテフロンのフライパンで両面こんがり焼くだけ。お好みで黒胡椒をふっても。
夏のバーベキューやキャンプで作っても盛り上がりますよ。カチョカヴァッロ(カチョカバロとも)やプロヴォローネ等、熟成した“パスタフィラータ”タイプのチーズで、ぜひお試しください。
カリッと焼けたチーズとじゃがいもの味わいがたまらない「フリッコ」

北イタリア、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の郷土料理、フリッコ(Frico。フリコとも)。千切りにしたじゃがいもと地元のチーズを混ぜて焼く、お好み焼きの様な一品。カリッとしたチーズの香ばしさと味わいがたまりません。
地元のハードタイプチーズ、“モンターズィオ“を使うのが定番ですが、日本では手に入りにくいので、他のハードタイプチーズやシュレッドタイプのチーズで代用しても作れます。
<材料:2人分>
・モンターズィオチーズ 70g
※グリュイエールやエメンタールチーズ等でも代用できます。
・じゃがいも 70g
・玉ねぎ(スライス) 1/4個
・オリーブオイル 小さじ1
・塩・黒胡椒 少々
<作り方>
1. チーズと皮を剥いたじゃがいもを、チーズおろしで細長くおろす(シュレッドチーズの様な形に)。おろし金がなければ、包丁で千切りしても構いません。
2. フライパン(テフロンがおすすめ)を火にかけてオリーブオイルをひき、玉ねぎと塩ひとつまみを入れ、玉ねぎがしんなりするまでソテーする。
3. チーズとじゃがいもを加え、全体を混ぜて平らにし、中火で焼く。
4. 下の面がこんがりしたら、お皿をかぶせてひっくり返して取り出す。そのままフライパンに滑らせて戻し、さらにもう片面もこんがり色付くまで焼く。
5. 皿に盛って黒胡椒を挽きかけ、塩をぱらりとふって出来上がり!
実はとってもボリューミー♪ランチにもおすすめ「グリークサラダ」

欧米ではごく一般的な「グリークサラダ」。ギリシャ風サラダの事で、主役はなんといってもフェタチーズ!あとはトマト、キュウリ、オリーブ、そして仕上げのオレガノのひとふりがポイントです。
サラダとはいえ、チーズのタンパク質が入るのでとってもボリューミー。これだけでランチにしても十分です。フェタチーズが無い場合はリコッタやモッツァレラ等をのせて、フレッシュチーズのサラダにしても良いですよ。
<材料:2人分>
・フェタチーズ 100g
・トマト 1個
・きゅうり 1/2本
・オリーブ 6~8個
・好みのサラダ野菜 適宜
※ベビーリーフ、サニーレタス等
・オレガノ(ドライ) 少々
・塩・胡椒・オリーブオイル、レモン汁または好みのドレッシング
<作り方>
1. トマト、きゅうりは食べやすい大きさにカットし、サラダ野菜は適当にちぎって水に放し、パリッとさせてから水を切っておく。
2. 1の野菜とオリーブを器に盛り、フェタチーズをのせる(大きいままドンとのせる。または一口サイズにカット)。
3. オレガノをふり、塩・胡椒・オリーブオイル、レモン汁(またはドレッシング)をかける。フェタチーズを崩しながら全体を良く混ぜていただきます。
5種類のチーズレシピをご紹介しましたが、ご自宅で楽しむならアレンジは自由自在!サラダにスープにパスタにグラタンに…… 何にでもたっぷりチーズを使って、美味しく心豊かな食卓を楽しんでくださいね。

チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰