シーン別で解説!おいしいチーズの選び方とおすすめチーズ/チーズの基本 vol.2

チーズスタンドの「4種セット」

人が集まる時や家でのんびりしたいとき、ちょっと摘まめる美味しいチーズがあれば、その場の幸福度はグンとアップ!とは言っても、チーズってたくさんありすぎてどれを買って良いものやら悩ましいですね。そんな迷った時のお助けになれるよう、自宅飲み用やホームパーティ用など、シーン別にチーズの選び方とおすすめのチーズをご紹介します。

チーズがあるとうれしいときって、どんなとき?

チーズが欲しくなるシチュエーションって色々あると思いますが、春の空気が気持ち良い今の季節なら、まずは、お花見やピクニックでしょうか。親しい人と集まって外でワイワイするのは楽しいものですね。

みんなでワイワイするなら持ち寄りのホームパーティーも外せません。もてなす側も、とりあえずチーズがあれば手間いらず。お客様に摘まんでいただけるので重宝します。また、招かれた側の手土産としてもチーズは喜ばれるものです。

チーズの選び方

みんなで楽しむのも良いけれど、自宅で一人で、または家族と一緒にのんびり家飲みしたい時にもチーズは便利です。またワイン会等で、美味しいお酒とともにチーズをペアリングさせたい時もあるかもしれません。

そんなシーンを想像しつつ、ピクニック、ホームパーティー、自宅でまったり、ワイン会の4つの場に合わせるチーズを考えていきたいと思います。

お花見やピクニック用に選ぶならハードタイプのチーズがおすすめ

気持ちの良いお天気の日に、陽を浴びながら外で飲んだり食べたり…って最高ですね!そんな時は、チーズとナイフと小さなまな板(お皿でも可)も持って行きましょう。

アウトドアチーズを選ぶ時に考慮したいのが、持ち運びやすさ(残った時の持ち帰りやすさも!)、つまみやすさ、食べきれるサイズと量、誰でも食べやすい味、気分を盛り上げるもの、です。水分が滲みてきたり、こぼれるようなものや高級すぎるチーズは不向きかもしれません。

持ち運びやすさの面では、ハードタイプ等の固いチーズ(コンテや熟成の長いタイプのミモレット等)や、箱入りのもの(カマンベール等)がおすすめです。

ハードタイプチーズ

摘まみやすさなら、ハードタイプをカットしたもの、特にパルミジャーノ・レッジャーノの塊を砕いたものは最適ですし、ベル・キューブ等のプロセスチーズも便利です。食べきりやすい小さなチーズでしたら、パヴェ・ダフィノワやアトリエ・ド・フロマージュの「ココン」等がぴったり。また、摘まみやすいようにカットしたものをチーズの箱やお重等に詰めて持って行くのも素敵です。

カットタイプチーズ

さらにお花見気分を盛り上げるなら、桜の花や葉を使った共働学舎新得農場の「さくら」や三良坂フロマージュの「さくらもちシェーブル」等が活躍してくれますし、春らしさ・旬を楽しむなら、クセが無く、優しい味の国産シェーブルチーズ、例えばランランファームの「プチ十勝シェーブル・炭」や三良坂フロマージュの「フロマージュ・ド・みらさか・シェーブル」も魅力的です。

さくらもちシェーブル

ホームパーティー用に選ぶなら、カットしやすくて広く好まれるチーズがおすすめ

友人と集まって、リラックスしつつ飲んだり食べたりを楽しめるホームパーティー。そんな時、招く方、招かれる方、双方にとって重宝するのがチーズです。

テーマや目的、メンバーにもよりますが、チーズ選びのポイントにしたいのは、カットのしやすさ(取り分けやすさ)、できるだけ洗い物を増やさないこと、誰にでも好まれる味、そして場を盛り上げてくれる華やかさでしょうか。

手間をかけることなく、パッと広げるだけですぐにみんなで食べられて片付けもラクチンなのが理想ですが、ほとんどのチーズはカットが必要。でもどうせカットするなら、まずは切り分けやすいハードタイプ(ボーフォールやオッソー・イラティ、コンテ等)を中心に、馴染みのあるカマンベールやブリ等の白かびや、カットしやすくマイルドで食べやすいフルム・ダンベール等の青かびで変化を付けるのが良いでしょう。

また、華があるチーズとしておすすめなのがブッラータ。みんなの前でカットして、クリームがとろりと流れる様子を楽しむのは演出効果絶大です。

ブッラータ

秋・冬なら、モンドール(「とろ~りやわらか。秋冬限定、木箱に入った至福のチーズ。」参照)も。美味しいのはもちろん、食べる人に各自スプーンですくって食べてもらえば良いので手軽です。

また、手土産にぴったりなチーズをセットにしたものも販売されていますので、選べない時は利用してみるのも良いでしょう。例えばsundayfromageの、「持ち寄りパーティーに」というセットや、チーズスタンドの「4種セット」等は特におすすめです。

「持ち寄りパーティーに」セット

自宅でまったり、家飲みタイム用に選ぶなら、使いまわしやすいチーズがおすすめ

自宅で楽しむチーズの良いところは、食べ残しても冷蔵庫にすぐしまえるところ。だから、大型のチーズでも、柔らかくてトロトロまたはベタベタしていても、カットしにくくてぐちゃっとなってしまっても、残った時はなんとかなるので、どんなチーズでも自分の食べたいものを選ぶことができます。

とは言っても主婦的目線で考えると、残ったものがお料理に使いやすいチーズだとありがたく、冷蔵庫に常備していても邪魔になりません。そういう意味では、パルミジャーノ・レッジャーノやコンテは鉄板!でもそれだけでは面白味に欠けるというなら、リコッタ(「ミルクの甘みがほんわりやさしい。渋谷産リコッタチーズ!」参照)やゴルゴンゾーラ、スティルトン等もおすすめ。

リコッタは、蜂蜜やコンフィチュール、塩・胡椒をかけて子供から大人まで食べられますし、ゴルゴンゾーラはパンに塗ったりパスタのソースにしても重宝します。また、ブルーチーズの中では良い状態をキープしやすいスティルトンは冷蔵庫に常備しておいて、夜、お酒と共にそのまま摘まむのにもぴったりです。

スティルトン

ワイン会用に選ぶなら、ワインの格にあったチーズがおすすめ

ワイン好きが集まって、ワインの味やチーズのペアリングを楽しむワイン会。そんな場で飲まれるワインはそれなりの品質のものが多いので、チーズもワインの格に合ったものを用意しましょう。また、通好みでクセのあるものや、ちょっと珍しいチーズも話題性があっておすすめです。たとえばエポワス。なめらかでボリューム感と複雑さのあるウォッシュチーズは、特に同郷のブルゴーニュワインと好相性です。

ウォッシュチーズ

ハード系ならボーフォール。チーズのプリンスとも称される品のある味わいは、ふくよかな白ワインやシャンパーニュとも良く合います。特に、ボーフォールの中でも「エテ」と呼ばれる夏作りや、その夏作りの中でも「ダルパージュ」と呼ばれる標高1500m以上のところで作られたものは珍重されていて美味しいので喜ばれるでしょう。

ダルパージュ

ブリ・ド・モーにトリュフを挟んだものや、ワイン用ブドウの搾りかすに漬けこんだバザイオやオッチェリ・アル・バローロ等も、お酒好きにはたまらない通なチーズでおすすめです。

ブリ・ド・モーにトリュフを挟んだもの

以上、シーン別チーズ選びのポイントと、チーズをいくつかご紹介しましたが、世の中には美味しいチーズが本当にたくさん!ここに挙げたのはほんの一例ですので、選び方を参考にしつつ、様々なチーズを楽しんでいただけたらと思います。なお今回ご紹介したチーズは、ナチュラルチーズ専門店のフェルミエさんなどでご購入いただけます。

小笠原由貴さん
チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰
旅行会社勤務を経て渡米。料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。質の良い食材を求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、記事執筆を行う。スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。

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旅行会社勤務を経て渡米。料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。Simple & Natural をモットーとするレシピに質の良い食材は欠かせず、美味しいものを求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、チーズについての記事を執筆。スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。