こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。
和菓子が大好きな私ですが、和菓子の魅力は見ているとなんだかやさしい気持ちになる、「和(む)お菓子」であるということ。この連載ではそんな「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介します。第4回目は、夏の疲れを癒してくれる”すずやか”な和菓子です。
見た目と音から感じる”涼”

鮮やかなブルー、かわいらしい模様の箱に書かれた名前は「季すずやか」。今回このお菓子を選んだ理由は二つあります。一つはお菓子の中身を見る前から、この涼しげな名前に癒されたこと。そして、二つめ。どんなお菓子が涼ませてくれるんだろうとワクワクしたこと。さぁ!早速箱を開けます。

出てきたのはカラフルな葛まんじゅうを和風のゼリーで包み込んだ水菓子。「かわいいー!」と思わず声に出てしまうほど。すずやかの種類は全部で4種類ありますが、今回は、能登大納言、石川県産青梅、 能登赤崎いちごの3種類をいただきます。たっぷり入ったゼリーは食べ応えがあり、この暑さに打ち勝つ元気をもらえそうです。
ゼリーのきらめきにうっとり

まずはいちご味から食べてみましょう。ほんのりとしたピンク色がとてもかわいらしいいちご味は、フィルムを開くとふわっといちごの甘い香り。香りの甘さとは一転、食べると甘酸っぱさが口に広がります。

続いてみどりの青梅。こちらはさっぱりとした後味。葛まんじゅうを割るとトロンと梅の果汁が流れ出てきます。

ガラスのお皿に移すとより涼しげな見た目に。大きな大納言はとても立派で、食べ応えも抜群です。葛まんじゅうは歯切れのいい弾力。400年の歴史を誇る加賀藩御用達の葛、「宝逹葛」が使われています。
まわりのゼリー部分はつるんとのどごしがよく、それぞれが口の中で仲良く混ざります。ゼリーのきらめきも、スプーンを入れる時の葛まんじゅうの弾力も、流れる果汁も。一つ一つの動きが美しく、涼しげな気持ちにさせてくれます。
あれだけ暑い暑いと叫んでいたのに、こんな涼しげな気持ちになれるなら夏も悪くないなと、残りわずかの夏が急に恋しくなりました。水出しのお茶やコーヒーと夏の思い出に浸りながら、さっぱりいただきたい”すずやか”なお菓子です。
なお、3月~9月中旬頃までの販売なので、購入時はご注意ください。またお店で購入する場合は、自由に選んでセットにできますが、ネットで購入する場合は「能登大納言、石川県産青梅、抹茶」の3種類となっています。

和菓子女子