意外と知らないお茶の産地とおすすめのお茶/日本茶の基本 vol.2

八女伝統本玉露「Special AKI」

こんにちは!日本茶インストラクターの伊藤尚哉です。飲むとほっこり、穏やかな気持ちになれる日本茶。でも、淹れ方や選び方が分からない、という方も多いかと思います。そこでこの連載では、日本茶の基本とおすすめのお茶をご紹介します。第2回目は、日本茶の有名な産地である、静岡川根、京都宇治、福岡八女、鹿児島知覧のおすすめのお茶をご紹介します!

お茶本来の甘みと爽やかな香りが楽しめる川根茶

静岡県中部を流れる大井川の上流域にある榛原郡川根本町。この地域で栽培されたお茶は「川根茶」と言われ、毎年品評会でも高い評価を獲得している産地としても有名です。朝霧が立ち、昼夜の気温差が激しく、適度に日照時間が短い、お茶づくりピッタリな環境で栽培された川根茶は、お茶本来の爽やかな香りと、じんわりと口の中に広がる華やかな甘みが特徴です。

その川根茶の特徴を存分に楽しみたい方におすすめなのが松島園の「八十八夜」。数々の品評会で1等を獲得した輝かしい経歴をもつお茶です。

上級川根茶【八十八夜】

“本当に価値のある美味しいお茶”を目指し、効率化のため大量生産ではなく、小規模ですが、こだわり抜いた製法によって丁寧につくられたお茶は、特に香りが良く、スッキリとした渋みもしっかりと感じられます。

500年以上も日本のトップブランドを守り続ける宇治抹茶

抹茶の原料である碾茶(てんちゃ・抹茶の原料)の生産量が全国1位の京都。「宇治抹茶」というと最近人気の”抹茶スイーツ”のイメージが強いですが、その歴史は古く、宇治で栽培されるお茶は、15世紀中期には京都の天皇家や足利将軍家の庇護を受け、すでに日本のトップブランドとしての地位を確立していました。

16世紀になると現在の碾茶の栽培が完成し、千利休らによって完成した「茶の湯」が戦国大名の間でブームになり、しだいに一般庶民も嗜む日本独自の文化として大成していきます。

「宇治の川霧」といわれる霧が日光をやわらげるため、お茶の栽培に適した土地であったことや、宇治で開発された碾茶の栽培・製茶技術があること。また、昔からの茶問屋、茶師が多く存在することも宇治抹茶が発展した理由のひとつです。

そんな歴史ある宇治抹茶の中でも特におすすめしたいのが、d:matchaの「匠の京都宇治抹茶さみどり」。

匠の京都宇治抹茶さみどり

京都で古くから栽培されていたお茶の在来種から選抜した「さみどり」という品種から作られている、まさに京都らしい味わい。ビターな苦味だけでなく、濃厚な甘み、うま味も存分に味わえる抹茶なので、普段あまり抹茶を飲まれない方にも親しみやすい味わいだと思います。

また、少し濃いめに点てた抹茶にミルクを足せば、ちょっとリッチな抹茶ラテを楽しむことができます! もちろんお点前用としても、十分におもてなしができる本格的な抹茶です。

濃厚なうま味が堪能できる「八女伝統本玉露」

福岡県八女市は、玉露の生産量が全国1位。中でも矢部村は、昼夜の寒暖差が激しく年間の降水量も多い地域で、良質なお茶の栽培に適しています。

茶畑を覆う朝霧の細かい雫が茶葉をやさしく覆うことで、他の地域にはない、まろやかな甘みを多く含む玉露、煎茶が育ちます。藁で編んだ薦(こも)で茶園を覆って、ひとつひとつ丁寧に手摘みされる玉露は「八女伝統本玉露」といわれ、尖った苦味が少なく、凝縮された濃厚なうま味が特徴です。

この矢部村にある栗原製茶で作られる、八女伝統本玉露「Special AKI」は、濃厚なうま味がありつつも、玉露特有の飲みづらさが少ないので、普段あまり飲まれない方にもおすすめしたい至高の逸品です。

八女伝統本玉露「Special AKI」

また同じく栗原製茶の「媛しずく」は、やわらかな甘みと澄んだ香りが特徴の一番人気の煎茶。静岡や京都の煎茶とはひと味違った甘みと渋み、清涼感のある香りが持ち味です。

極上煎茶(媛しずく)

普段使いとしても楽しめますが、贈り物としても喜ばれるようなお茶です。八女茶を初めて飲まれる方に、ぜひおすすめしたい煎茶です!

うま味、渋みのバランスが絶妙!知覧茶「やぶ一番」

静岡に次ぎ、全国で2番目にお茶の生産量の多い鹿児島県。その鹿児島県を代表するお茶の産地が知覧町。1年を通して温暖な気候と、桜島の火山灰によってつくられた水はけがいい土壌は、おいしいお茶づくりにピッタリの環境。知覧茶は、全国でも品質の高さが認められ、品評会でも多くの受賞歴があります。

お茶の春一番の代表 山口浩一さんは、第50回、第58回全国茶品評会「煎茶の部」農林水産大臣賞を受賞。中でも、全国で最も栽培量の多い品種「やぶきた」を使った「やぶ一番」は、お茶の春一番の人気商品です。うま味と渋みのバランスがよく、香りも楽しめる味わい深いお茶で、知覧茶といったらまず「やぶ一番」がおすすめ! 毎日飲んでも飽きがこない味わいです。

やぶ一番 100g

もうひとつおすすめなのが「おく一番」。「やぶ一番」に比べて渋みが少なく、より甘みが感じられる、優しい口当たりのお茶です。うま味が強く、コクのあるまろやかな味わいが特徴の品種「おくゆたか」メインのブレンドで仕上げられています。苦渋みの少ないお茶が好きな方におすすめのお茶です。

おく一番 100g

今回ご紹介した産地以外にも日本には多くの美味しいお茶を栽培する場所があります。いろいろ試してみて、ぜひ好みのお茶を見つけてくださいね。

伊藤尚哉
(日本茶インストラクター)
日本茶のスペシャリストである「日本茶インストラクター」を取得。日本茶専門店で働きながら、日本茶の魅力を伝えるべく、お茶の淹れ方講座など日本茶を楽しめる場所や時間を創ったり、和菓子とのコラボユニット「neuf neuf」の活動を行っています。

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伊藤尚哉(日本茶インストラクター)

日本茶のスペシャリストである「日本茶インストラクター」を取得。日本茶専門店で働きながら、日本茶の魅力を伝えるべく、お茶の淹れ方講座など日本茶を楽しめる場所や時間を創ったり、和菓子とのコラボユニット「neuf neuf」の活動を行っています。