
お取り寄せの達人
よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
手土産やプレゼントでスイーツを贈るとき、「なにこれ!」とか「こんなのあったの!?」と驚きとともに喜ばれると、ちょっと嬉しかったりしますよね。そんな「サプライズスイーツ」をご紹介するこの連載。第7回目は、5種類のフルーツを使ったフォトジェニックな大福をご紹介します。
花火大会をイメージした大福
外を歩くと、秋らしい景色がころころと増えてきました。葉っぱの色、女の子のニット帽、もこもこの野良猫、かぼちゃの置物。つぅーんと澄んだ空気に囲まれると、ちょっと夏が寂しくなったり。あんなベタベタしてたのに、飽きられてしまったようにスタスタと夏はいなくなっていました。
秋は和の素材を使ったものが、特においしいと感じる季節ですよね。今回は、そこに夏の思い出も彩るようなお菓子をご紹介します。
大阪府東大阪市に本店がある五條堂さん。1975年に創業し、現在は親子二代で営む和菓子屋さんです。昔から親しまれているロングセラーの和菓子から、洋菓子の要素を掛け合わせた新しいタイプの和菓子など、幅広い層に向けたお菓子作りをしています。
そんな中、ぼくがぜひ皆さんに食べてもらいたいのが『鴻池花火』という大福。そう、名前にも入っていますが、キーワードは“花火”! お店がある東大阪市の鴻池には花火大会がないことから、地元の人にも花火大会を味わってもらおうという気持ちから作られたお菓子です。

大福で花火をイメージするとは、なんて斬新! いったい何味の大福なのか、どうやって花火を表現しているのか、次で詳しくご紹介しますね。
まるでフルーツパフェのような大福
鴻池花火は、〇〇味の大福です!と断言することはできません。それは、ひとくち食べた時の断面を見ればお分かりでしょう。花火をイメージした色鮮やかな断面には、5種類のフルーツが散りばめられていて、別名“フルーツパフェ大福”とも呼ばれています。ああ、なんて、素敵なネーミング!
使用しているのはオレンジ、バナナ、パイナップル、フランボワーズ、ブルーベリーの5種類で、時期ごとに美味しい産地を選んだフレッシュなフルーツたち。食べた時の一体感を大切にしているため、フルーツの大きさを整えることが作る上で難しい点だそうです。

フルーツと合わせるのは、こし餡と生クリーム。生クリームはケーキに使うような濃厚でうまみがしっかりと感じるクリームなので、食べた時に洋菓子としての印象も口に残るのがおもしろい! あんことクリームが合わさったなめらかな甘さの中に、果実の瑞々しさや爽やかさが弾け、心地よい一体感に包まれます。お餅には滋賀県産の羽二重餅を使用し、賑やかな家族を優しく包むお父さんのような柔らかな生地ですね。
さあ、いかがですか、鴻池花火! 美味しさと遊び心のバランスが素晴らしく、食べていてワクワクします。二代目の柴田彩さんは「こころはずむようなお菓子作り」を心がけているそうで、鴻池花火はまさに食べた人の気持ちを華やかにする素敵なお菓子ですよね。もとは創業者のお父さまがとても花火好きで、そんな姿を見ている内に鴻池にも花火大会を作ろうという強い気持ちが誕生のキッカケだとか!

花火は一瞬で消えてしまうけれども、お菓子を通して繋いだストーリーはずっと続きます。ぜひ、食べてみてくださいね!
ナイスィーツ!