200年以上の歴史を持つ、京菓子司「亀屋良長」さん。創業時から作り続けられている「烏羽玉」や上生菓子等、伝統的なお菓子を大切にしているイメージがありますが、実は意外にも新しいものを取り入れ、チャレンジし続けている老舗でもあります。
最近は、こたつの中で丸くなるねこをモチーフにした上用まんじゅう「こたつねこ」がちょっと話題になったりもしました。
そんな亀屋良長さんのブランドのひとつが、今回ご紹介する「ほのほの」を作っている「Satomi Fujita」です。
老舗和菓子屋「亀屋良長」とパティシエがタッグを組んで作った新ブランド
ブランド名にもなっている「藤田怜美」さんは、実は、フランスで長く経験を積んできたパティシエール。そう、洋菓子を作ってきた方です。
国内外の有名レストランで働き、シェフパティシエを務めるほどの実力者が和菓子に出会って感銘を受け、亀屋良長さんと一緒に生み出したのが、「Satomi Fujita」ブランド。
だからそのお菓子は、和菓子・洋菓子の枠を超えた、自由な発想と製法、素材使いが特徴のハイブリッドです。
ほんわかした名前もかわいい「ほのほの」は、白餡をベースにした生地で餡を包んで焼いた、「桃山」という和菓子をアレンジしたもの。
定番商品として、「チーズレモン」と「キャラメルナッツ」がありますが、チーズを使っているのは「チーズレモン」の方。白餡にクリームチーズとレモンを加えた餡を、白餡にクリームチーズとパルミジャーノ・レッジャーノを加えた皮で包んで焼き上げたそうです。
和菓子? 洋菓子?これまでにない和チーズスイーツ
一口食べると、まず口いっぱいに広がるのがチーズの香り。そして餡の甘味、レモンの酸味と皮の食感、ぎゅっと詰まったパルミジャーノ・レッジャーノの旨みと塩味、それからクリームチーズのミルク感とコク……。
様々な味わいが折り重なるように次々と現れ、うっとり口福感に浸っていると、あっという間に2~3個ペロリと食べてしまいまいます。
そんな「ほのほの」、その佇まいとほっくりとした食感、そして餡の風味で全体の印象としては和菓子なのですが、爽やかなレモンの酸味とチーズのコクと旨みは、まるでベイクドチーズケーキ。和と洋のバランスがぴたりと取れた、他には無い、新しいお菓子です。
飲み物を合わせるならお抹茶なんかはぴったり! また、旨みの強い、玉露や被せ茶等も良く合いそうです。もちろん、普通の煎茶やほうじ茶も良さそうですし、牛乳もやっぱり外せません。
お天気の良い日に縁側(があったら)で、のんびり楽しみたのしみたくなるような、そんな穏やかな幸福感が漂う「ほのほの」。ぜひ一度お試しいただけると嬉しいです。