
(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)
わが家の玄関先に、テラコッタの鉢に植えられた小さなオリーブの木があります。天気の良い日は、空にシュッとのびた銀色の葉裏がキラキラ。しなやかで凛とした佇まいにパワーがみなぎる、大好きな木です。
神戸でレンタカーを借り、岡山からフェリーに乗って小豆島の港に着くと、吹く風にのって香ばしいにおい。「あっごま油の香り」と思って辺りをキョロキョロしてみたら、近くに誰もが知ってるごま油のメーカーの大きな工場が。普段からよく使っているメーカーでしたが、小豆島が創業の地ということをそのとき初めて知りました。そうそう小豆島特産の素麺作りには、ごま油が使われていましたね。
小豆島は、日本のオリーブ栽培発祥の地です。それは、小豆島の気候が、オリーブの原産地である地中海に似ているからと言われています。島を車で走るとオリーブの木、十分な光と風、青い海がすぐそこにあって、ホント異国に行ったみたいな気分になれました。
季節は春でしたが、オリーブが白い小さな花を咲かせるにはまだ少し早い時期。だいたい5月の終わり頃から花を咲かせ、花が終わった後に緑色の実をつけて、その実を9月末くらいから収穫し始めるそう。
百貨店の催事で見かけたことがあり、名前を知っていたオリーブオイルのお店「井上誠耕園」は、小豆島で絶対立ち寄りたいスポットの一つでした。親子三代続くオリーブと柑橘の農家さんで、季節限定の「新漬けオリーブ」が毎年とても人気です。お店の方と少しお話しをしたら、「オリーブオイルの良さを一人でも多くの方に知ってほしい」という熱い思いが伝わってきました。
お土産に、種類の違うドレッシングとパスタソースを購入しました。自分用には、和風「ごま風味」のドレッシングをチョイス。なぜなら、そのドレッシングには、小豆島の情景がたっぷり詰まっていたからです。
主な原材料はオリーブ油、ごま油、酢、醤油、ごま、玉ねぎなどで、保存料は使われていません。
ごまの風味と玉ねぎの甘みがあって、商品名に和風とあるように醤油が全体を上手くまとめています。でも、完熟オリーブオイルがベースなのでどこか洋風な感じもするし、ごま油が入っているので中華風な感じも。結局、和洋中どんなシチュエーションにもピタリと合います。
シンプルにサラダやお豆腐にかけていただく以外に、マリネ液や炒め物の味つけとしても重宝。練りごまと混ぜて、素麺のつけだれにするのもおすすめです。