
スイーツジャーナリスト
長年愛される「定番」スイーツ紹介の連載も、第25回を迎えました。今回は、「鎌倉紅谷(かまくらべにや)」の愛され名菓、「クルミッ子」をご紹介します。秋のティータイムにぴったりの、胡桃がたっぷり入った焼き菓子です。最近は、様々な進化版も話題になっています。
古都にふさわしい「和の品格と洋の華やかさを併せ持つお菓子」
鎌倉・鶴岡八幡宮のすぐそばに本店のある「鎌倉紅谷」は、1954年(昭和29年)に創業。戦前、東京の神楽坂にあった和菓子舗「紅谷」で修業した和菓子職人と洋菓子職人のお2人が、その看板を背負って、この地でお店を始めたそうです。現在は、三代目の有井宏太郎氏が代表を務めていらっしゃいます。
約30数年前に生まれたという看板商品の「クルミッ子」は、洋菓子の手法を用いながら、どこか和菓子のような親しみ感や上品さを備えています。開発のヒントになったのは、スイスの伝統菓子「エンガディナー」だそうですが、上下のクッキー生地を薄めにするなど、より食べやすく、日本人の口に合うよう工夫されています。
生地とキャラメルと胡桃、見事な対比と一体感
バターが香る生地で挟んだ自家製キャラメルには、胡桃が驚くほどぎっしり!キャラメルのほどよい硬さや粘度の見極めは、まさに職人技。生地で挟んでから再び焼くことも計算しなくてはなりません。全体を焼き上げる加減も、季節や天候によって微調整するそうです。
一口かじると、サクサク感としっとり感とを備えた生地がキャラメルと一体感をなし、甘さだけでなく程よいほろ苦さもあり、歯切れや口どけもいいキャラメルが、胡桃の甘さとコク、コリコリした食感にまろやかにからみます。3つの要素がそれぞれ印象的で、互いを引き立て合うのです。
5個入、8個入、16個入の箱があるので、プチギフトや大勢向けの差し入れなど、用途に応じて選ぶことができます。パッケージに描かれたリスの親子の絵柄も愛らしいと大人気!鎌倉にはリスが多いこと、胡桃がリスの好物であることなどが由来だそう。いまやオリジナルグッズも販売されるほど、「鎌倉紅谷」の“顔”となっています。
さらに進化する新たな「クルミッ子」の姿とは?
最近では、この「クルミッ子」を丸ごと中に入れて焼いたコーヒー味のパウンドケーキ「クルミッ子INN」も発売され、話題になっています。
表面にはレモン風味のクランブルとアクセントにあられをトッピング。リスくんたちが一息つく「お宿(INN)」をイメージしたそうで、パッケージもそのようなデザインとなっていて、箱のスリーブを外すと思わず微笑んでしまいます。
人気が高じてしばらくお休み中でしたが、2020年は11月中旬頃に販売再開の予定だそうです。
「クルミッ子」は、2012年(平成24年)には、第25回神奈川県名菓展菓子コンクールで最優秀賞も受賞しています。変わらない味として長年愛される品ですが、それに甘んじることなく、新しい表現も研究。鎌倉の八幡宮前本店など幾つかの店舗では、クルミッ子をのせたパフェなどもいただくことが出来、若い方々にも人気です。これからも、世代を超えて愛されていくに違いありません。






















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