
和菓子女子
こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介するこの連載。第45回目は、熊本・芋屋長兵衛の「いきなりだんご」を紹介します。

今回紹介するのは、熊本県の郷土菓子「いきなりだんご」。”だんご”という名前はつきますが、一般的にイメージされる串に刺さったお団子ではありません。九州では小麦粉を練って作った生地のことを”だんご”または”だご”と呼び、お菓子に使われたり、「だご汁」という郷土料理としても知られています。
この生地でさつまいもとあんこを包んで蒸したシンプルなお菓子が今回の主役、いきなりだんごです。”いきなり”というのは「簡単・手早く・すぐに」という意味があり、短時間で簡単につくることができるため、急にお客さんがきてもすぐに出せるというのが名前の由来といわれています。
もちもち生地と豊富なバリエーション
芋屋長兵衛のいきなりだんごは全部で5種類。プレーン、よもぎ、紫芋、黒糖、さくらとバリエーション豊富。セットもありますが、好きな味を1つから注文できるのも嬉しいポイント!

生地が厚かったり、あんこをお芋で挟んだものが包んであるボリューミーなものなど、いきなりだんごの種類はお店によってさまざまです。
今回の芋屋長兵衛さんのものはうっすらと生地からあんこが透けていて生地は薄め。一口ガブリとかぶりつくと、生地、あんこ、おいもが全て口の中にやってきます。
あまり大きすぎるいきなりだんごだと、なかなかあんことおいもにたどり着かないものもあるので、とても食べやすい印象でした。それにしても生地のもちもちがすごい!もちもち好きにはたまらない弾力です!

春を味わうさくら味
そして、この時期にぴったりなのがさくら味。かわいいピンクの生地に包まれています。

中にはあずきのあんこではなくさくらあんが入っています。甘いあんこと塩気が重なって、これぞ春の味!中も外もすっかり桜色のいきなりだんごです。串には刺さってないけれど、3つ並べると立派なお花見団子の出来上がり。

寒い冬を乗り越えて、ようやく春がやってきました。新しい季節の始まり。ドキドキでいっぱいです。みなさんにも素敵な春が訪れますように!