さっぱりフレッシュチーズに合わせたいおすすめパン/チーズを美味しく食べるパン選び vol.1

パン・ド・ミ

チーズとパン、そしてワイン。この3つは三位一体で、お互い非常に相性が良いもの。中でもチーズとパンの組み合わせは老若男女問わず楽しめる点で、より沢山の人に広く親しまれています。そんなチーズとパンにフォーカスし、より美味しく愉しむ組み合わせ、食べ方等をこれから6回の連載でチーズタイプごとにご紹介していきたいと思います。皆さまの美味しく楽しい食卓のヒントになると嬉しいです。

第1回目のテーマは、フレッシュチーズ。暑さの厳しい夏は特に食欲が落ちるものですが、そんな時でもすんなり食べられるのがフレッシュタイプのチーズ。文字通り、熟成させていないチーズですが、さっぱりした味わいのものが多く、常温はもちろん、冷たく冷やしても美味。そんなフレッシュタイプチーズと相性の良いパンを具体的にご紹介します。

ふんわり優しいリコッタチーズには、優しい食感のパン・ド・ミがおすすめ

ミルクの甘みを感じる、優しい風味のリコッタチーズ。チーズを作った後のホエー(乳清)を“re(もう一度)” “cotta(煮て)”作るチーズで、製造時の様子やザルに入った姿は、まるっきりおぼろ豆腐です。

リコッタ

そんなふんわり優しい風味のリコッタに合うのは、やっぱりふんわり優しい食感の食パン、パン・ド・ミ。スライスしたパン・ド・ミにリコッタをのせて蜂蜜やフルーツをトッピング。まるでデザートの様な一品の出来上がりです。

パン・ド・ミ

ちなみにリコッタチーズには、牛乳製はもちろん、羊乳、山羊乳、水牛乳、それらの混乳と、乳種が様々。色々取寄せて食べ比べてみるのも面白いですよ。

濃厚マスカルポーネには、リッチなブリオッシュがおすすめ

乳脂肪が多く、濃厚なクリームの様なマスカルポーネ。ティラミスの材料として日本でも一般的になりましたね。ほんのりとしたミルクの甘みがあるので、そのまま食べてもデザートの様です。

マスカルポーネ

そんなマスカルポーネに合わせたいのが、負けず劣らずリッチなパンのブリオッシュ。チーズもパンもリッチなので、どちらかが負ける事もなくバランスが取れますし、乳の風味という共通項もあります。チーズのなめらかさとブリオッシュのしなやかさにも違和感が無いので、一緒に食べた時に一体感があって美味です。さらにフレッシュフルーツをのせても良いですよ。

ブリオッシュ

また、全く違ったタイプのパンを合わせてチーズとの対比や引き立てあいを楽しむのも一興。例えば、酸味のある目の詰まったライ麦パンを薄くスライスして軽くトーストし、そこにマスカルポーネを。パンの酸味がマスカルポーネのリッチさとミルクの甘みを引き締めてくれます。胡椒やハーブ、または蜂蜜やドライフルーツをトッピングしてもより美味しくいただけます。

ヨーグルトのようなフロマージュ・ブランには、独特の食感のフーガスがおすすめ

水を切ったヨーグルトの様な質感と味のフロマージュ・ブラン。実際、フランスではヨーグルト同様に蜂蜜やコンフィチュールをかけて朝食にいただく事が多いさっぱり味のチーズです。また、刻んだハーブや塩・胡椒等を加えてディップの様に使うのも定番。

フロマージュ・ブラン

そんなセイボリー(塩味)方向でいただくなら、パンは南仏のフーガスがおすすめ。フーガスをちぎってフロマージュ・ブランのディップをつけると、おやつにもおつまみにもぴったりです。フーガスには、オリーブやハーブの入ったものもよくありますが、それにも良く合います。

フーガス

フーガスが入手しにくい場合は、フォカッチャ等の風味が似たパンがおすすめです。また、フロマージュ・ブランが手に入らない時は、水切りプレーンヨーグルトで代用する事もできますので、お試しください。

以上、3通りの組み合わせをご紹介しましたが、もちろん、美味しい組み合わせはまだまだ沢山!五感を使って楽しみつつ、より美味しい組み合わせを見つけてみて下さいね!

小笠原由貴さん
チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰
旅行会社勤務を経て渡米。料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。質の良い食材を求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、記事執筆を行う。スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。

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パン・ド・ミ

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旅行会社勤務を経て渡米。料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。Simple & Natural をモットーとするレシピに質の良い食材は欠かせず、美味しいものを求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、チーズについての記事を執筆。スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。