
和菓子女子
こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介するこの連載。第27回目は、東京・喜田家の「LONDON APPLE SAND」を紹介します。
東京を中心に19店舗お店を構える喜田家さんは1955年に創業した和菓子屋さん。数年前、たまたま散歩をしていて見つけ、ふらっと入ったのがきっかけで知ったお店です。
その時「初宿(はつしゅく)」というどら焼きを購入したのですが、それがなんと、まぁ、おいしいこと!!!!!

ふわっとしていながらもしっとりした分厚い生地、たっぷりと入ったあんこはトロトロでもなく、かといって固すぎず、まさに絶妙な水分量。それが生地とまたいい塩梅で重なりあって、改めてどら焼きのおいしさを教えてもらいました。
以来、喜田家さんの大ファンになってしまい、お店の近くを通るときには必ず買うほど惚れてしまうほどに。
そんな喜田家さんのHPをみていると、なんとも斬新な「LONDON APPLE SAND」を発見。そろそろ秋の雰囲気も味わいたいな、と思っていたところにぴったりのどら焼きを見つけました。
きっかけはイギリスと日本を繋ぐ“お茶文化”
まず疑問に思ったのは、商品名についている“ロンドン”。そこには喜田家さんの社長さんと、ロンドンで生活をしていらっしゃる妹さんの物語がありました。

お客さんが喜んでくれ、さらに伝統を守る新商品の開発を試みるお姉さんと、ロンドンにいながらも喜田家の思いを世界に発信しようと奮闘する妹さん。
イギリスと日本、お互いに共通する「お茶」の文化に合うどら焼きを作れないだろうか。お父さんの想いを継ぎ、作り上げた新しいタイプのどら焼きが生まれました。
喜田家“第3のどら焼き”
さて、わくわくしながら袋を開けていきます。ふわっとりんご、そしてシナモンの香りが漂います。そして、手に持つと、吸い付くようなもっちり感。すべすべの生地を持つだけで癒してくれます。

なんといってもどら焼きはかぶりつくのが一番! ガブっと大きな口でかぶりつきます。想像を絶するもっちり感!! 生地に米粉が使ってあるため、こんなにもちもちするんだそう。
喜田家さんのどら焼きは、1つめに「初宿」というしっとり系の生地のどら焼き、2つめに「六人衆焼」という、ふわふわ系の黒糖生地のどら焼きがあります。そして3つめに、もちもち生地の今回の「LONDON APPLE SAND」が生まれました。
中からはたっぷりの角切りりんごが顔を出し、シャキシャキと心地のいい食感です。シナモンの香りを堪能していると、最後は白あんがピシッとしめてくれます。

まさに和菓子と洋菓子のいいとこどり。冷やして食べても、温めて食べてもおいしいという万能などら焼きはアイスクリームをのせて、贅沢に楽しむのも良さそう。

日本と世界を繋ぐ新しいどら焼き。是非堪能してみてくださいね。