
和菓子女子
こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介するこの連載。第28回目は、長崎・松翁軒の「渋皮栗寄せの抹茶カステラ」を紹介します。
すっかり季節は秋になり、ずいぶんと過ごしやすい、穏やかな気候になりました。今回紹介するカステラは季節限定の商品。夏に見つけて「早く秋になーれ!」と待ちわびていた商品です。
300年を超える歴史を体感!
松翁軒(しょうおうけん)は1681年に創業したお店でお店の歴史はそのままカステラの歴史と言えるほど歴史のあるお店。熟練の職人さんが1人ひとつずつ窯を担当し、1枚ずつ焼き上げるんだそう。
長崎カステラといえば、底のザラメが特徴。私も大好きです。てっきりカステラの底にザラメを敷いていると思っていたのですが、これは生地と一緒に焼く時に使ったザラメの一部が溶け残って沈んだもので、最初から底に敷いたものではないんだそう。時間が経つと溶けてしまうのでザラメが好きな方は早めに食べるのがおすすめです。
たっぷりの大きな栗に大興奮!
今回見つけたのは大きな栗と大粒の黒豆が入った抹茶カステラ。栗も黒豆も抹茶も大好きな私は商品の写真を見ただけで大興奮してしまいました…! しかし、3つが組み合わさったときどんな味わいになるのだろう?とちょっぴりドキドキしながら箱を開けます。
「渋皮栗抹茶」という胸躍るステッカーに期待が高まります!!

箱を開けた途端、抹茶の豊潤な香りが漂います! そしてこれでもか、と贅沢に使われた栗と黒豆。しばらく眺めてしまいました……。

一口食べて驚いたのはカステラ生地。しっとりとしていて、とても口溶けがいいんです!栗のほくほく感と黒豆のしっとり感、ふわっと後味を爽やかにしてくれる抹茶。決して3つの素材が喧嘩することなく、お互いを引き立てあっています。

カステラといえば、和菓子なの?洋菓子なの?と思われがち。カステラは和菓子として分類されますが、特に「渋皮栗寄せの抹茶カステラ」の誕生には和菓子が欠かせません。
江戸時代以降、「長崎カステラ」を学ぶために、全国各地からたくさんの菓子職人が修行に集まりました。職人たちは、カステラ製法の御礼に、各地の和菓子の製法・技術を伝えたんだそう。長い歴史と長崎の文化が融合し、カステラと和菓子が合わさり、この商品が生まれました。

これからの季節、特別な贈り物として、自分へのご褒美としても大活躍しそうな一品です。