
スイーツジャーナリスト
長年愛される「定番」スイーツ紹介の連載、第35回は、兵庫県西宮市の老舗洋菓子店で愛されてきたクッキーをご紹介!二代目がさらなる素材の研究を重ねつつ、ロングセラーの味を受け継いでいます。
材料と手間を惜しまず生み出された看板商品
兵庫県西宮市、阪急電鉄の夙川(しゅくがわ)駅からほど近い「エルベラン」は、1964年創業。初代オーナーの柿田衛氏からお店を受け継いだ二代目の衛二(えいじ)氏が、地元に愛されるお菓子を作り続けています。

出来る限り無添加にこだわり、厳選した素材の持つ味わいを大切にしたお菓子の中でも、看板商品となっているのが、40年程前に生まれた「エルベランクッキー」。ひと手間かけて、サブレの周りにパイ生地を巻き、そのサブレ2枚でチョコレートをサンドしていているのが特徴です。

味は2種類あり、<ミルクチョコ>は、サブレもチョコレート味で、フランス「ヴァローナ社」のカカオ分41%のミルクチョコレートをサンドしています。もう1つの<ホワイトチョコ>も、「ヴァローナ社」のミルキーなホワイトチョコレートをサンド。

サブレ部分のサクッとした食感とやさしい甘さ、ホロッとしたパイ生地が塩味や香ばしいバターの香りやうま味、チョコレートの濃厚な味わいも楽しめるという、三位一体のお菓子です。

材料も、国産小麦粉、「カルピス社」の低水分バター、生産量の少ない稀少なジャージー牛乳、乳質のよさで知られる鳥取県の「大山乳業」に特注で作ってもらっているノンホモ生クリーム、ヒマラヤ岩塩、沖縄産の島砂糖など、1つ1つ厳選しています。
柿田シェフ曰く、チョコレート系のクッキーに入れるガナッシュのチョコレートのブレンドや種類など、細かい変更も加えてきたそう。変わらない味を求めるお客様の期待に応えつつも、日々よりよいものを求め、「進化」ならぬ「深化」をしているのだそうです。
バリエーションも豊富!様々な味が楽しめる詰め合わせ
バリエーション豊かな「ティーフレンドクッキー」と合わせると、全部で10種類。45年ほど前、最初に生まれたという王道の「サブレ」と「サブレチョコ」、「アーモンドパイ」。宇治産の有機抹茶と焙り黒豆入りの「お茶と黒豆」や、地元の西宮市の豆腐店が作る国産特別栽培大豆のおからと豆乳、ホワイトチョコレートを練り込んだ「豆乳とおから」のように、日本の素材を使ったもの。

スモークソルトとドライトマトを使った塩味の「チーズとトマト」など、多彩な味が楽しめます。「みつばちの贈り物」は、“スーパーフード”として注目されている、ミツバチが集めた花粉を蜂蜜と共に練り込んだ珍しいパイ菓子です。

「エルベラン」のYouTubeチャンネルでは、そんなお菓子へのこだわりを、柿田シェフが詳しく解説されているので、探してご覧になってみてくださいね。