
スイーツジャーナリスト
熊本・阿蘇山にあるショコラトリー「アソフォレ」は、日本のチョコレート界のパイオニアである、東京・奥渋谷「ミュゼ・ドゥ・ショコラ・テオブロマ」の土屋公二シェフが監修をされています。
お店は2016年秋にオープン。その年の4月、熊本は地震に見舞われ、阿蘇に繋がる大橋が落下。鉄道も国道も不通となっていました。
そんな中、予定どおり開業するか悩まれたそうですが、熊本の復興を願う当時社長の思いと、それに賛同した土屋シェフの協力を受けて、敢えてスタートされたのです。
「アソフォレ」ならではのオリジナルチョコレートの一つがこちら。中は、阿蘇の地酒「れいざん」を練り込んだ、キャラメル風味の生チョコレート。1つ1つの外側をビターチョコレートでごく薄く覆い、ココアパウダーをまぶしてあります。
「れいざん」は、江戸時代の宝暦12年(1762年)創業と、阿蘇で250年以上の歴史を持つ「山村酒造合名会社」による日本酒です。
熊本は阿蘇山があることから“火の国”と呼ばれると共に、“水の国”とも称され、阿蘇の地質が育む豊かな地下水源に恵まれています。その清冽な伏流水は、酒造りにも欠かせず、すっきりした味や香りを生み出すのです。
そんな阿蘇の恵みの「れいざん」の生チョコトリュフは、極薄のチョコレートの被膜の中から、やわらかなガナッシュ。口の中でゆっくりとかしていくうちに、ふわりと香りが広がっていきます。
いかにもお酒というのではなく、華やかでなめらかな印象です。プレーンの「生チョコトリュフ」もあるので、食べ比べてみると、違いがいっそうよくわかります。
箱には、仏陀が横たわる涅槃像にたとえられる、阿蘇五岳の美しい稜線が描かれています。牛や馬が放牧されている広大な草千里や一面のすすき野、清流ほとばしる滝など、阿蘇の大自然を思い浮かべながら味わってみてください。
私の母は熊本生まれで、阿蘇は、子供の頃に遊びに連れていってもらった思い出の場所。「アソフォレ」は「コスギリゾート阿蘇ハイランド」の敷地内にあり、ゴルフ場や温泉施設も隣接しています。
鉄道の復旧前に、何とか行く方法がないか調べたところ、阿蘇くまもと空港から1時間ちょっとですが、バス1本で行けることがわかり、訪問できた際は嬉しかったです。
長くかかった復旧工事もめどがつき、2020年8月にはJR豊肥線がようやく再開しましたが、新型コロナウイルスの影響で、観光業にとってはまだまだ厳しい状況が続いてます。今すぐに行くことは難しくても、お取り寄せできる品を通じて、阿蘇や熊本の魅力をより多くの方に知っていただき、応援できればと願っています。
四季折々の美しさ、雄大さを見せてくれる阿蘇山。まだ訪れたことがないという方は、いつかぜひいらしていただき、「アソフォレ」にもお立ち寄りください!






















取り寄せたい
贈りたい
おいしく食べたい
行ってみたい
食のプロ連載・特集一覧