約800年、受け継がれてきた伝統製法で作られた「山うにとうふ」/【連載】達人おすすめのお取り寄せ

山うにとうふオリジナル100g 五木屋本舗

滝村雅晴さん
(パパ料理研究家)
「パパが料理をすることで、家族が幸せになる」世の中づくりのために、日本で唯一の「パパ料理研究家」として、料理教室、メディアでの連載・出演、一澤信三郎帆布コラボエプロン・子供用エプロン販売など、パパ料理の普及・啓蒙活動を行う。ブログ「ビストロパパ ~パパ料理のススメ~」は1600日以上連続更新中。

料理の仕事をしていることもあり、なんとなく「山うにとうふ」のことは知っていた。ただ、食べる機会がなかっただけで。

ある時、人から勧められて、気になっていたので買ってみた。そもそも山のうにってどんな味なんだろう。

商品パッケージを見ると「山うにとうふ」の横に、「豆腐の味噌漬」と書いてある。なるほど、そういうことか。

ふたを開けると、中からしっとりさも、色も、うに感あふれるとうふが出てきた。スプーンですくって、ひと口食べてみる。濃厚でなめらかな舌触りの豆腐の味噌漬けだ。ひょっとしたら、うにの珍味として出されたら、そう思うかもしれない。富山で過ごしたことのある妻が「粒うに」のような味がして懐かしいと教えてくれた。

山うにとうふの製造販売をされているが、熊本県五木村の五木屋本舗さん。同村は、1000メートルを超える山々が連なる九州中央山地に位置する山里。ミネラル分の高い名水があるなど、自然に恵まれた土地だ。

そこで、九州産大豆ふくゆたかを主原料に、秘伝のもろみ味噌に半年間も寝かせ、発酵と熟成を繰り返し「豆腐の味噌漬」が丁寧に作られている。その歴史は800年にもなるとか。

夫婦ですっかりお酒を飲まなくなった我が家は、酒のつまみではなく、「炊き立てのごはん」にあうおかずに目がない。この「山うにとうふ」は、炊き立てごはん党の我が家には、たまらないご馳走となった。

ほかほかごはんの上に、ひんやりねっとりした、山うにとうふをのせて口に運ぶ。熱いごはんと豆腐の味噌漬を噛めば噛むほど、なんとも言えない芳醇な香りが口と鼻に充満する。

日々の食卓では味わえない、クセになる味噌と豆腐でできた山うにとうふは、まさに、日本独特の伝統保存食だ。

うに好き、酒好き、白めし好きの方がいたら、さりげなく小鉢に盛り付けた山うにとうふを食卓に並べてみよう。食べたとき、どんな反応をするのか。そこから始まる会話は、きっと盛り上がるに違いない。

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