
スイーツジャーナリスト
チーズケーキが大好きな私にとって、ビーントゥーバーチョコレート専門店「Minimal -Bean to Bar Chocolate-(ミニマル)」が、自社工房でカカオ豆から作った“Bean to Bar”チョコレートを使ったチーズケーキを発売したというニュースは、とても気になりました。
それ以前にも何度か、チョコレート味のチーズケーキを食べたことはありますが、なかなかバランスの難しい組み合わせだと感じていたのです。
しかし、この「チョコレートレアチーズケーキ」を食べてみると、あくまで爽やかな「チーズケーキ」でありながら、チョコレートのインパクトある個性もしっかりと感じさせ、この融合は見事だ!と感心したのです。
もともと、2020年の春に期間限定品として発売されたものでしたが、非常に人気が高く、その後、“注文を受けてから作る予約生産”という形で、定番スイーツの1つになったのも納得でした。
味のカギになるのは、やはり、カカオの選択です。世界各地のカカオ農園に足を運び、生産者と協力しながら良質なカカオ豆を選び仕入れている「Minimal」だけあって、それもまさに職人の領域。
このチーズケーキに合わせるチョコレートには、柑橘系の酸味と、カカオバターのまろやかな甘みが特徴の中米・ドミニカ共和国産のカカオ豆を使用しています。一方で、チーズケーキのベースとなるクリームチーズには、酸味が少なく濃厚でミルキーな味わいのものを採用したそう。
一般的なチョコレートのチーズケーキと言うと、酸味のあるクリームチーズに、ビターなチョコレートを合わせるというイメージではないでしょうか?
それとは逆の味の組み立てにしたというのは、カカオ豆からフルーツを思わせる爽やかな香りや風味を引き出すことに長けた「Minimal」ならではの使い方です。
口にした印象は、間違いなくレアチーズケーキ。クリームチーズのまろやかでミルキーな味わいに続き、サワークリームやヨーグルトが入っているかのような爽やかな酸味が広がります。
よくチーズケーキに使われるレモン果汁や果皮とも異なる、カカオ由来の華やかな柑橘のようなニュアンスが、このお菓子の全体のトーンを明るくしてくれます。チョコレートがチーズに勝つことなく、お互いに尊重し引き立て合っている。そんな印象なのです。
冷凍で届きますが、食べる前には、完全に解凍する前に切り分けると、ナイフに生地がつくことなく綺麗に切れます。
半解凍の状態から食べ始めると、最初はひんやりしたアイスのような感覚で、口の中でとろりとやわらかく広がる変化が楽しめます。底に敷かれたクランブル生地のザクザク食感もアクセントに。
カカオの風味を繊細に味わえるよう、夏はアイスティーと一緒に。冷やしたシャンパーニュやスパークリングワインと合わせて、夜のデザートタイムを演出しても素敵です。






















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