こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。
和菓子が大好きな私ですが、和菓子の魅力は見ているとなんだかやさしい気持ちになる、「和(む)お菓子」であるということ。この連載ではそんな「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介します。第5回目は、秋の訪れを知らせる栗の形に思わず笑みがこぼれる和菓子です。
まるで本物!艶めく栗で感じる秋

今回紹介するのは京都、二条若狭屋の銘菓「ふく栗/やき栗」。1年中購入することはできるのですが、やっぱり秋の訪れを感じるこの時期に食べたいですよね。包装紙には神社や鳥居がパステルカラーで描かれています。箱が纏う雰囲気にまるで京都に来たかのような気分になります。

箱を開けると可愛らしい二つの栗が出て来ます。まずは見た目を楽しんで。1つずつお皿にのせるもよし、2つのせてみるもよし。パクッと食べようか?それとも半分に割ってみようかな?中はどんな風になっているんだろう?いろんな想像を膨らませながら食べるまでの時間を楽しむのも和菓子の楽しみ方のひとつ。
2つの栗をじっくり堪能しよう

やき栗は大きな栗を栗餡で包み、表面がこんがりと焼かれています。しっとりとした栗餡が中の栗と馴染み贅沢な味わい。外側の焼かれた生地はふわっとほろっと香ばしく、優しい味わいにアクセントを加えます。

一方ふく栗は大きな栗を栗あんとこしあんの二重の餡で包み、外側に羊羹をかけ、見た目も栗そっくりに見立てたもの。羊羹はとても艶やかで秋晴れの空が写ってしまうほどです。こちらは二重の餡、なめらかな羊羹、そして外側にまぶしてあるケシの実がプチプチっと弾け、ハーモニーを奏でます。

朝晩涼しくなってきた秋の始まりにふさわしい、栗のお菓子。温かいほうじ茶と一緒にじっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。

和菓子女子