
和菓子女子
こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介するこの連載。第40回目は、愛媛・宮栄の「いよかん芋娘(いもこ)」を紹介します。
日に日に秋を感じることが増え、秋らしいものを探していたときに思い出したのが芋けんぴでした。我が家では小さい時から常に芋けんぴがストックしてあり、新芋の芋けんぴが出ると秋を感じていた記憶があります。
ここ数年はさつまいもがブームになっており、いろんな商品を見かけることが増えました。中でも「いよかん芋娘(いもこ)」は、ほっこりさとかわいさを感じつつ、ちょっぴり珍しい芋けんぴなんです。
ほっこりかわいいパッケージの秘密
まず目がいくのがこのパッケージ!ニコニコとした子供のイラストにほっこりしますよね。
このパッケージには「子どもの頃には当たりまえにあったように、混ざり物の無い昔ながらの安心な菓子を残していきたい」という、お菓子作りに対する思いが込められています。

この芋けんぴは愛媛にある会社、宮栄のブランド「我が子菓子 善蔵」のお菓子。他にもいろんな種類の芋けんぴやお煎餅が作られていて、種類は全部で19種類もあるんだそう。
種類ごとに顔とラベルの色が変わります。袋の格子柄は、観光地でもある地元内子町の白壁の町並みがモチーフ。かわいいので全種類集めたくなってしまいます!

このパッケージになったのは実は数年前。県産品を使ったせんべいシリーズの発売に合わせて、思い切って全商品のパッケージを変更することに。
まずは目に付き、そしてブランドイメージがわかるもの!という依頼をして出来上がった新パッケージなんだそうです。
爽やかな芋けんぴ!?いよかん芋娘
宮栄はもともとはお菓子の卸の会社。仕入れ先であった小さな芋けんぴ工場が廃業すると聞き、なんとかこの味を引き継ぎたいと、古い機械と製法を譲り受けたのをきっかけに芋けんぴの製造が始まりました。
4種類あるいよかん芋娘の中のおすすめのひとつ、「いよかん芋娘」は、なんといよかんを使った芋けんぴ。「愛媛らしいものは無いですか?」と聞かれたのをきっかけに生まれました。
しかし、柑橘の酸味や風味が弱く、試作を繰り返すもうまくいかず、一旦は開発を断念されたんだそう。

そして、先の全商品のパッケージリニューアルの際にもう一度挑戦し、ついに完成!無事に誕生してくれてよかった!!!香料を使用せず、手搾りの果汁を使用することで、本来の風味を出しているんだそう。
近くで見ると、いよかんの粒がついているのがわかります。そして気になるいよかんはとても爽やかなのですが、その中にほろ苦さを感じる大人な味わいを感じ、そのほろ苦さがクセになります!カリッとした食感は硬すぎず、柔らかすぎず心地いい歯応えです。
芋けんぴは「甘い」というイメージがありましたが、こんなに爽やかな芋けんぴなら罪悪感を感じることなく食べられそうです。
ついつい止まらなくなってしまうのが芋けんぴの良さであり、そしてちょっぴり憎いところでもあります。食欲の秋、少しくらい食べすぎてもしょうがないよね……?と自分を甘やかしてしまいそうなお気に入りのお菓子がまた一つ増えました。