よろスィーツ! スイーツ芸人のスイーツなかのです。
今回は、秋にゆったりと食べたくなるお菓子をご紹介します。
「西欧菓子 伊藤屋」は、ヨーロッパ菓子を豊富に扱っている老舗菓子店です。1987年、谷保でお店が誕生、その後、国立の大学通り沿いに移転しながら、地元の人たちに愛され続けている、知る人ぞ知る名店。2017年、ビルの建て替えを機に30年続いたお店を閉じ、現在は新たな工房でネットを中心に伊藤屋の味を全国へ届けています。
ぼくの地元がお隣の立川市なので、昔からお菓子が美味しいと評判だった伊藤屋さん。さらに、ぼくの弟が高校生の頃にバイトしていたというご縁も(笑)。お店の近くの高校に通っていたので、学校帰りに働かせて頂き、お菓子が好きな両親もとても喜んでいました。
さて、今回ご紹介する伊藤屋さんのお菓子は「ノア」というクルミのパウンドケーキです。フランス語でクルミという意味で、1987年のオープン当初から作られ、長く愛されているお菓子のひとつ。ぼくも伊藤屋さんの中で大好きなお菓子です!
当時はまだクルミを使ったお菓子はあまりなかったそうですが、オーナーシェフの伊藤公朗さんはクルミを使ったお菓子を作りたい気持ちが強く、誕生したのが「ノア」。そして、進物用として1本で充分満足できるものを作りたいという想いもあったそう。
「ノア」はクルミと卵を使って焼き上げたパウンドケーキを、さらにアーモンドマジパンで包んでいます。最初は焼きあがったパンドケーキを冷やし全体にマジパンをかぶせ、その日の内に焼くか、一日寝かせるかで悩んだそうです。試行錯誤の結果、一日寝かせる方がしっかり馴染み、塗り卵が乾いてよくなったそう。肝心のクルミは上質で渋味の少ないものを選び、マジパンとの相性にこだわって使っています。
食べてみると分かりますが、このずっしりとした重厚感のある生地の食感は、一度食べると忘れられません! 香ばしさと心地よいしっとり感が絶妙なバランス。そして、クルミの芳醇さがふぁーっと口にひろがる贅沢なくちあたり。ひとくち入れると、ほっとするような安心感と品のある甘さに、心が自然と和らぐあたたかい味わいです。ぜひ、みんなでシェアして食べてほしい。
ハーフサイズなど色んなタイプがありますが、木箱入りは高級感も増すので贈り物にもぴったり。作家の山口瞳さんも手土産によく使っていたそうですよ! クルミが好きな人にも、焼き菓子が好きな人にも、全てのお菓子が好きな人にも、たくさんの人に食べてもらいたいお菓子です。
「ノア」を、よろスィーツ!