（スイーツプロデューサー）
フランス ボルドー地方の伝統菓子・カヌレ。日本では1990年代初頭に流行り、今年再びブームの兆し！その人気の秘密は、見た目にも創意工夫を凝らし、豊富なバリエーションの展開から手を伸ばしやすくなったのも理由の一つでしょう。
美味しさだけではなく、見た目やシェアしたくなる焼菓子をご紹介するこの連載。第34回目は、鹿児島県鹿児島市にあるSHIROYAMA HOTEL kagoshima（城山ホテル鹿児島）の「SHIROYAMA カヌレ ‐SATSUMA SELECTION‐」をご紹介します。贈り物や自分ご褒美に最適な新時代のカヌレです。
鹿児島への愛がギュッと詰まった新カヌレ
東京・千歳烏山の人気フランス菓子店「ラ・ヴィエイユ・フランス」など様々なパティスリーで修業を重ね、数々の国内の洋菓子コンテストで受賞歴のある栄村 洋樹さんが製菓料理長を務めているSHIROYAMA HOTEL kagoshima。
フランス菓子の伝統を大切にしながら新しさを取り入れ華やかさを追求したお菓子作りを得意とし、2021年3月に新発売となったのが、今回ご紹介する「SHIROYAMA カヌレ ‐SATSUMA SELECTION‐」です。
鹿児島県産の特産物を使ったオリジナリティあふれるラインナップで、小みかんやたんかんといった鹿児島が誇る珍しい柑橘や、なんと芋焼酎のフレーバーも！
「鹿児島の魅力を世界に発信するパティシエになる」という決心をして製菓業界に飛び込んだ栄村製菓料理長の熱い思いが込められ、生産者に直接会いに行くほど素材選びにこだわったのだとか。
それだけでなく、納得のいくまで1種類毎に10パターン以上の試作を重ねて完成した渾身のカヌレなのです。
美味しさの決め手はこだわりの食感
注目すべきは、冷凍便で配送されたとは思えない食感の良さ。冷凍庫から取り出し、夏場は約30分、冬場は約60分常温に置くと食べられる状態になり、外側はカリッと香ばしく、内側はしっとりやわらかな食感の虜になります。
焼き上がりのムラを無くして食感を良くするために生地を一晩寝かせて熟成。蜜蝋を塗った熱伝導率の良い銅製の型に生地を流しこみ、じっくり焼き上げることで独特の食感が生まれます。
その日の温度や湿度によって生地の状態や火の通り具合が変わるため15分毎に細かくパティシエが確認して微調整し、フレーバーによって焼成時間と温度を変えるなど手間暇惜しまず作られています。
初めての味に感動！和洋折衷な6種類のフレーバー
「SHIROYAMA カヌレ ‐SATSUMA SELECTION‐」は全6種類のフレーバーの詰め合わせ。お酒を主役にしたカヌレもありますが、生地を熟成することでアルコール成分が揮発し、うまみや香りが残るように工夫しているのでお酒が弱い方でも楽しむことができます。
芋焼酎
鹿児島と言ったらやっぱり芋焼酎！口に含めば芋らしいふくよかな甘味と香りが広がります。いつまでも続く長い余韻に心ここにあらず。
桜島小みかん（ベルギーホワイト）
鹿児島特産の桜島小みかんとたんかんという柑橘の皮を表面にまぶし、洋酒の代わりにホテル内のブルワリー工場で作られた桜島小みかんのビール「ベルギーホワイト」を使用。爽やかな香りとスパイシーなコリアンダーが重なり印象的な味わいに。
知覧茶
鹿児島県を代表するブランド茶の知覧茶は苦味やエグミがなく、甘味と旨味のバランスが絶妙。凛とした清々しい香り立ちがリラックスタイムのお供にぴったり。
ほうじ茶
鹿児島県産のほうじ茶を使用。香ばしさと旨味、上品な甘味がじんわりと広がり、心がホッと和みます。
たんかんショコラ
生産量日本一を誇る鹿児島県産のたんかんを使用。濃厚なビターチョコレートに、たんかんの爽やかな香りが時間差で広がります。
モンブラン
季節毎に1種類のフレーバーが切り替わり、9月1日より新たに加わったのがこちら。生地に霧島の栗を使い、マロンペーストをモンブランのように絞った存在感のあるビジュアルです。
手元に届いた瞬間からピンク色が可愛らしい箱に心ときめき、開けると色とりどりのデコレーションに思わず笑顔になってしまうはず。まるでケーキのような華やかさは贈り物や手土産にも相応しいので、流行に敏感な方や食通の方へのギフトにも選んでみてください。
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