
グラスの中で軽快な音を奏でる炭酸と、真夏の太陽が映える黄金色。白い泡をかき分けて勢いよく流し込めば、ホップの苦味が喉を駆け抜け、漏れる吐息は「ぷっはー!」。
はい、ビールがとびきり美味しい季節です。
めったにビールを飲まない私ですらビールを欲する夏。特に汗をかいた後のビールは、喉の渇きを潤すと共に心の乾きをも潤し、生き返ったような気持ちになります。
そんなビールに合わせたいおつまみと言えば、餃子。そう、焼きたて熱々の餃子とキンッキンに冷えたビールは夏の正義。
今月はビールとの相性抜群&誰もがビールを欲する禁断の餃子をご紹介します。
どこから食べても同じように皮とタネが味わえる餃子の理想形フォルム
こちらは茨城県古河市の名店、丸満餃子さんの焼餃子。昭和39年創業、50年以上も続く老舗の人気店で、私はこのパッケージを見ただけですでにビールが飲みたい。

冷凍で届く餃子は、1パック16個入り(2人前)。

パックにぴったり収まる餃子は、ひとつひとつが大きく、コロンとしたフォルムがソーキュート。

コロンとした形はとても愛らしいものですが、しかしこの形は、愛らしいだけのあらず。どこから食べても同じように皮とタネを味わうことができ、最初のひと口も最後のひと口も同じように美味しい唯一無二の形がこれ。餃子の理想形とも言えるフォルムなのです。

一般的な餃子とは形も大きさも異なり、当然焼き方も異なりますが、正しく焼くことで美味しさ倍増。その焼き方がとっても大事なので軽くご説明しますね。
サクっともちもち!ジューシーな餃子の焼き方
1. まず、焼く餃子にあったフライパンを用意し(8個なら20cm程度、16個なら26cm程度のフライパンがおすすめ)、薄く油をひいて凍ったままの餃子を並べます。

2. 強火にかけ、すぐさま熱湯を注ぎます(湯の量は餃子の2/3がかぶるくらい)。

3. 強火のまま蓋をし、湯が1/4になるまで7分程加熱します(気密性のよい蓋だと水分が蒸発しないので、ぴったり閉まらない蓋を使うか、少し隙間をあけてください)。


4. 餃子が膨らみ、湯が1/4ほどになったら、湯を捨てず、そのままサラダ油を注ぎます(サラダ油は餃子の2/3がかぶるくらい。16個を焼く場合250cc程度。油ははねないので安心してください)。

5. 再度蓋をし、強火で5分ほど揚げます(油を入れてすぐの頃は、湯と油が混じって白く濁りますが、3~4分すると湯が蒸発し、油が透明になります。餃子の皮が柔らかいうちは破れやすいので、油を入れて3~4分は触らないでください)。

6. 餃子の底がキツネ色になったら、油を切ります(この油は次に餃子を焼く時にも使えますし、餃子以外の調理時にも使えます)。

7. くるっと返せば、ハイ、美味しそう!

こんがりキツネ色に化けた皮は、厚い部分もあれば薄い部分もあり。厚さによって異なる食感もお楽しみのひとつ。薄い部分はカリカリに。厚い部分はサクっともちもちに。皮が重なりあう部分は、サクサクさとふんわりさが混在し、まるでデニッシュ。

ザクッと良い音を立てながら皮を切り開けば、待っているのは、甘さが際立つ野菜とジューシーな肉ダネ。20数種類具から成るタネは、にんにく不使用で優し目の味わいながらも、門外不出のスパイスがすべてを引き締め、シナモンの香りがふわっと。
「え?餃子にシナモン?!」と思うかもしれませんが、シナモンが餃子にもたらす影響は大きく、マーベラスでゴージャス。ひとつ食べればふたつめが、ふたつたべればみっつめが欲しくなり、ビールが進むのなんの。

皮もタネもイケイケですから、何もつけずに食べても美味しいのですが、定番の酢醤油+ラー油をかけてもいいし、さっぱり食べたい時はお酢だけをかけても。

真夏の暑い日に食べるなら、ライムとパクチーが私の推し。ぎゅっと絞ったライムを纏わせ、たっぷりのパクチーを添えれば、異国情緒な餃子がもうたまらん。ビール!ビール!(ライムがない時はレモンでも美味しいです)

まだまだ残暑が厳しい季節。黄金に輝く餃子を黄金の液体でぐいっと流し込み、明日への生気を補いましょう。