
(薬膳料理研究家)
どこかで食べたことがあるような…… 初めて食べたのに、なんだかとても懐かしく感じる洋菓子。
今回ご紹介する『まったーほるん』をひと言で表すとしたら、これに尽きるのではないでしょうか?
私が初めて食べたのは、体重変動にとてもナイーブになっていた、下の子を妊娠していた時のこと。もういつ産んでもいいよ~という先生の言葉をうけ、甘いものを(勝手に)解禁した矢先のことでした。
ウォーキング中に入ったお店の物産展で見かけ、透明セロファンに包まれた山のイラストと商品名のシールだけの素朴なパッケージとひらがなの商品名という、昭和な感じに惹かれて購入しました。
ウキウキしながら家に帰ってその包みを開けると、粉糖がかかったこんもりとしたスポンジ生地があらわれました。この雪が積もったように見える姿が『まったーほるん』の由来かしら?と思いながらフォークで半分に切ってみると、中にはたっぷりのクリームが。テンション上がります!
ひと口食べると、思っていた以上に濃厚! きめが細かくふんわりと、かつしっとりしたスポンジ。中のクリームはまるでバターのようなコクが。
なんだろう、昔どこかで食べたような。でもありそうだけれど、あまり見かけない、そんな洋菓子(ここはスイーツというより、洋菓子と言わせてください)。
半分だけにしておこうと思っていたのに夢中でぺろりと食べてしまいました。けっこうなボリュームなので、しばらくの間満足感に浸ることができました。
シンプルなのになんだかクセになる。その味が忘れられず、産後お取り寄せしてしまいました。
お取り寄せできるのは、プレーンとココア味の2種類。ココアは生地とクリームがココア味になっていて、まるでケーキのような重量感があります。お好みで季節のフルーツを添えてもおいしそうですが、ここはあえてシンプルにそのままいただきましょう。飾りっ気のなさこそ、『まったーほるん』の魅力なんですから。
『まったーほるん』は、『坊っちゃん団子』『栗タルト』など、数々の四国銘菓を作られている亀井製菓さんの商品です。なのに、亀井製菓さんのホームページに掲載されていないという、ちょっと謎なお菓子だったりします。