長年愛される「定番」スイーツ紹介の連載、第19回は、1998年に創業した「ラ・テール洋菓子店」より、とろける食感で大人気となった「大地のプリン”ウ・オ・レ”」をご紹介します。
15年前に渋谷で出会った、驚きの瓶入りプリン!
「大地のプリン“ウ・オ・レ”」は、「ラ・テール洋菓子店」創業の1998年5月より、レシピを変えずに作り続けられる人気商品です。
出会いは渋谷「東急百貨店東横店」の地下食品売り場「東横店 東急フードショー」でした。
「東急百貨店東横店」の上層階は、2020年3月末に閉店しましたが、「東急フードショー」を含む食品売り場は、今も営業を続けています。ここに2005年6月にオープンした「ラ・テール洋菓子店」の新業態店舗、「ラ・テール セゾン」で発見。当時、このような瓶入りのプリンは珍しく印象的でした。
何より驚かされたのは、とろとろのやわらかさとなめらかさ、そしてミルキーな味わい。うっすらと2層に分かれて見えるのは、ゆっくりと加熱する間に、乳脂肪分が自然と上に集まってくるため。
発売当初はグラス入りでしたが、15年ほど前から、現在の牛乳瓶タイプの容器に変更したそうです。スプーンを入れるとカラメルがふわっと上に上がり、プリンと一体になった味が楽しめます。
シンプル、かつこだわった材料と製法とは?
原材料は、卵、牛乳、砂糖、バニラの4種のみ。卵は、放し飼いされた健康的な鶏が生む、放牧自然卵の黄身を使用。一般的に、プリンには全卵を使用します。蛋白質の多い卵白が入ると、加熱凝固により硬めになりますが、卵黄のみ使用することで、とろとろの食感になるのです。
そして、北海道・美瑛(びえい)産のジャージー牛乳。ジャージー牛はイギリス領ジャージー島原産で、日本での飼養頭数は国内の乳牛の1%にも満たない希少な乳牛です。よく知られる白黒模様の「ホルスタイン種」より小柄ですが、その牛乳は濃厚で味わい深いのが特徴。
さらに、オーガニックシュガーと、オーガニックバニラを合わせて。通常よりも低温で、長い時間かけてじっくりと焼くのも、この食感を生み出す秘訣。工程がシンプルな分、素材の違いが明確に伝わります。6本入りでお取り寄せ出来るので、ご家族で召し上がるのにもぴったりです。
継承してほしい創業当時からの味
「東急百貨店東横店」の閉店後も、渋谷に行くと「東急フードショー」の「ラ・テール セゾン」で「大地のプリン“ウ・オ・レ”」が変わらず買えるのが嬉しい。
他にも「ラ・テール」のグループ店舗は増えましたが、東京都世田谷区・三宿の「ラ・テール洋菓子店」は、季節の花々や緑のプランターに彩られた「地元で長年愛されるお菓子屋さん」らしい雰囲気で、心がほっこりします。
「自然に生きる」という「ラ・テール」のコンセプトを端的に表現した「大地のプリン“ウ・オ・レ”」。これからも継承していってほしいと願います。