
(ショコラコーディネーター・チョコレートジャーナリスト)
JHOICE(ジョイス)は、神戸のチョコレートブランド。ショコラティエの丈池武志さんのセンスと、細やかな手仕事によるチョコレートたちを、ぜひ味わってみてください。
しばし見惚れてしまうほどの美しさ。独特の陰影を感じる、落ち着いたヴィジュアルで、オリジナリティある風味が魅力です。
手にすると、伝統工芸品のような印象も。
いろいろなセットがありますが、ぜひ「自分へのご褒美に」「特別な方へのギフトに」おすすめしたいのは、「『selection』-セレクション10PBOX」です。
色がわかるよう、すこし明るめの写真を撮ってみました。

深い赤や緑、橙色や山吹色がわかりますか?
いずれも、丈池さんの手作業によるデザインで、ひとつとして同じものはありません。
職人技が光るチョコレート、味わうと一体、どんな味かと興味がわくと思います。ボックスの中に入ったリーフレットをご覧ください。

和と洋、さまざまな素材を組み合わせて作られたフレッシュなチョコレート
一粒のチョコレートは、ひとつではなく、複数の素材から構成されています。
神戸市北区のオーガニックファームで育った有機バジルと、レモンとオリーブオイルを組み合わせたガナッシュ。兵庫県たつの市「末廣醤油」と波照間産の純黒糖を使った黒蜜を、なんと生姜とあわせたガナッシュ――。
たとえば、「ベトナムカカオ×ラム酒」は、私のお気に入りで、カカオの実の形をしていて、どことなくベトナムの国旗や風土を感じる彩り。

内容は、ベトナム産カカオと徳之島の高岡醸造で作られるラム酒「ルリカケス」のガナッシュです。ベトナム産カカオと、国産の芳醇なラムのアロマがとけあう、うっとりするようなマリアージュ。
ドーム型の「すだち×酒粕」は、丈池さんが生まれ育った、徳島県産のすだちを使用。白鶴酒造の酒粕の風味が、きゅん、と甘酸っぱいすだちとマッチします。
赤い「トンカ豆×グリオット」は、グリオットチェリーのコンフィチュールが、トンカ豆のさわやかな風味とベストマッチ。

1982年に、徳島県で生まれた丈池さんは、ホテルやレストランでの仕事を経て、JHOICEを2018年1月に開業しました。
2021年1月には、アトリエ兼店舗「JHOICE laboratory(ジョイス ラボラトリー)」を構え、あくまでも手作業にこだわり、チョコレートを作っています。
「フレッシュなチョコレートを届けたい」という思いから、賞味期限は短め。私はいつも、丈池さんのチョコレートが届くと、フレッシュなお野菜や料理のように、早く味わおう、と思います。
グレーのシックなボックスの中は、美しいチョコレート。一粒ごとに個性ある素材のアロマがダンスしているかのよう。そんなJHOICEのチョコレートは、ぜひ、ゆっくり味わってください。