甘糀×たまり醤油で“旨み”たっぷり。独特な味わいの発酵スイーツ「糀ぷりん」【三重県】

糀ぷりん正面

数年前の塩麹ブームに始まり、味噌、醤油、納豆、チーズなど、さまざまな発酵食品に注目が集まっています。そんな中でも、今回ご紹介する糀屋の「糀ぷりん」は、発酵食品とプリンをかけ合わせた、めずらしい“発酵スイーツ”。プリン好きはもちろん、新しい発酵食品を探している方や味わってみたい方に、特におすすめです。

糀と醤油でより深くなるプリンの味わい

糀屋の「糀ぷりん」は、原材料に甘糀(米糀)とたまり醤油、2つの発酵食品を使ったプリンです。一見ほかのプリンと変わらないのですが、糀とたまり醤油の組み合わせから生まれる、他のプリンとは違う味わいで話題になってきています。

スプーンで掬ったときにはしっかりとした固さを感じるのですが、口の中に入れるとすっととろける食感。そしてすぐに感じるのが、ほかのプリンの生地とは明らかに違う甘みとコク。強い甘みとそれが生み出すようなコクではなく、やさしい甘みなのに、しっかりとしたコクを感じます。

糀ぷりん掬うシーン

これは砂糖の量を極力減らし、代わりに甘糀を使っているから。それもプリンの味わいを損なわない最大限の量を使っているそうです。それによって生み出される甘みは、とてもやさしいのにコクがあり、すっきりとした後味になっています。

そしてこの「糀ぷりん」には甘糀ともうひとつ、発酵食品が使われています。それがたまり醤油。このたまり醤油と甘糀が混ぜ合わされることで、たまり醤油に含まれるタンパク質が旨み成分であるアミノ酸に変化し、プリンなのに「まろやかな旨み」を感じるのです。

濃すぎず、苦味も控えめのカラメルにも、たまり醤油が使われていて、プリン生地と混ぜ合わせると味わいは変化し、さらに旨みが増します。

糀ぷりん横面

「プリンに旨み……?」と思うのですが、この旨みによって甘さに深みが出ています。この混ぜ合わせることによって生まれるおいしさに気づたときには、すでに生地もカラメルも残り少なくなっていて、つぎ食べるときには早めに混ぜて食べようと思うぐらいです。

味はもちろん、糀を意識したという花のデザインがされたパッケージやシンプルでかわいい瓶も好感が持てますし、季節によっては、いちごやチョコなどの種類もあります。「糀ぷりん」というネーミングもわかりやすく、すぐに「糀のプリンっていったいどんなもの?」といった話にもなるので、手みやげにもおすすめ。きっと場が盛り上がりますよ。

糀ぷりんイチゴ

醤油や味噌の醸造元だからできた発酵スイーツ

この「糀ぷりん」を作った糀屋は、文化13年(1816年)創業の老舗。独特の甘味と香りをもつ濃口の伊勢特有の醤油をはじめ、味噌などの醸造を行っていて、多くの商品を伊勢神宮に奉納しています。

もともと発酵食品を扱っていたとはいえ、昔ながらの由緒正しいお店が新たにプリンというスイーツを手がけることには、それ相応の苦労もあったはず。しかしそれを乗り越え誕生した「糀ぷりん」は、醸造元だからできたアイディアで他にはない味わいを実現しています。

糀とたまり醤油によって生み出されるやさしい甘みとコク、そして旨み。これまでのプリンとは一線を画すおいしさを、ぜひ一度味わってみてくださいね。

糀ぷりん正面