
(ショコラコーディネーター・チョコレートジャーナリスト)
ホテル雅叙園東京のオリジナルチョコレートの美しさには、心が和みます。まるで和菓子のよう。こんなチョコレートを見たことがなくて、初めて出会ったとき、私はにっこりほほ笑んでしまいました。
チョコレートの名前は「花宴 はなのえん」。遠くからみると、和菓子?と思ってしまいそうなヴィジュアル。

「花宴 はなのえん」は、ホテルの1階にある、PATISSERIE「栞杏1928」に並ぶチョコレートのひとつで、美しい「和デザイン」が、ホテルを訪れる人や宿泊客を魅了しています。
箱を開けると、春が訪れたかのような彩り。心華やぐこのチョコレートボックスは、2021年のバレンタインシーズンにむけて作られた新作です。
これまでにも人気を集めていたボンボンショコラのセット「京・みやこ」に、新しく「焦がし醤油」「梅」「くるみ」の3種類を追加したアソートで、いまは、オンラインショップでも購入することができます。

チョコレートを手がけているのは、ペストリー料理長の生野剛哉さん。どのチョコレートも、丁寧な手作りです。

1箱に8種類入り。ピンクの花びらが細く型どられたドーム状の「梅」は新作です。甘酸っぱい梅の風味が、ビターチョコレートと調和。
真っ赤な扇型の「紫蘇」は、紫蘇の爽やかな香りがホワイトチョコレートによってミルキーに。赤、青、白のデザインが繊細なハート型は「焦がし醤油」。「くるみ」はしっかりとくるみが香り立つ、なめらかなガナッシュです。
中に黒豆が一粒入った白い花型の「日本酒&黒豆」、杏をイメージさせるオレンジが鮮やかな「あんず&プラリネ」、胡麻と抹茶の香り豊かな「抹茶&ごま」、ヨーグルトとみかんのコンフィチュールが2層になった酸味が心地よい「蜜柑&ヨーグルト」。
見た目だけでなく、味わうごとに日本ならではの風味が現れます。干菓子にも、かわいい練り切りのようにも見えてきて、和のシーンにもぴったり。

緑茶やお抹茶とあわせて味わうのもおすすめ。日本の器に、よくあうのです。
ホテル雅叙園東京には、館内に点在する日本画などの美術工芸品からヒントを得た、日本の文化を形にしたチョコレートがいくつもあります。
中でも、手にしたときに、和菓子の小箱をいただいたようなやさしさがあふれる「花宴 はなのえん」。幅広い年代の方への贈り物にも、ふさわしいチョコレートボックスです。