ラクレットやゴーダなど、セミハードタイプのチーズに合わせたいパン/チーズを美味しく食べるパン選び vol.5

パン・ド・カンパーニュ
小笠原由貴さん
チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰
旅行会社勤務を経て渡米。料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。質の良い食材を求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、記事執筆を行う。スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。

トム・ド・サヴォワ、ルブロション、サン・ネクテール、モルビエ、テット・ド・モアンヌ…… 様々な種類を誇るセミハードタイプのチーズですが、知名度が今ひとつで、存在感の薄いものが多いのがもったいないところ。むっちりとした組織、クセが無く優しい味わいは、老若男女問わず食べやすいもの。また溶けやすいので、加熱調理にも向いています。

そんなセミハードタイプチーズのうち、今回は抜群の知名度を誇る2種類と、それに合わせたいパンをご紹介します。

グツグツとろ~りのラクレットには、パン・ド・カンパーニュなど「山のパン」がおすすめ

一時のブームではなく、すっかり定着した感のあるラクレット。半分にカットした大きなチーズの切り口を熱源にかざし、とけてきたところをナイフでざ~っと削ってじゃがいもやパンにかけて豪快に食べるチーズです。グツグツとろ~りととけた様子にそそられますね。そんなラクレットを食べさせてくれるお店も増えました。

ラクレット

また、ちょっと高級なスーパーに行けばスライスしたラクレットのパック詰めが販売されていますし、ネットでお取り寄せもできるので、以前よりも簡単に楽しめるようになりました。

とろ~りラクレットを自宅で楽しみたいときは、テフロンのフライパンが便利! ラクレットチーズのスライスを入れて火にかけて溶かし、魚焼きグリルや焼き網で表面を炙ったパンの上にかけるのが、簡単で美味しいですよ。

ラクレットで一品

ラクレットにパンを合わせるなら、パン・ド・カンパーニュ。ちょっとありふれた組み合わせかもしれませんが、ラクレットの様な山のチーズには、やっぱり山のパン。バゲットの様に生地が白くて都会っぽいものよりも、田舎で食べられてきた様なライ麦入りの素朴で大きな食事パンがしっくりきます。実際、パン・ド・カンパーニュならラクレットのしっかりした味にも負けない力強さがあり、バランスが取れます。

また、パン・ド・カンパーニュに、クルミが入ったものも好相性です。山のチーズには、ライ麦やナッツ等、山のものを使ったパンが間違いありません。

パン・ド・カンパーニュ

口どけよく優しい味わいのゴーダチーズには、ライ麦が入ったパン・オ・セーグルがおすすめ

クセが無く、こっくりとした味わいが魅力のゴーダ。厚みのある円盤形で黄色いワックスに包まれた姿は、見たことがある方も多いと思いますし、ほとんどの方が名前を聞いたことがあるでしょう。

ゴーダチーズ

そんな知名度の高いオランダのチーズ、ゴーダは熟成によって味わいが変化しますが、若いころはしなやかで口どけも良く、優しい味。サンドイッチやお料理にもぴったりです。そして熟成が進むと、固く締まってアミノ酸の結晶も見られるようになり、濃厚な旨みを感じるようになるので、そのまま摘まんでお酒と共に楽しむのが良いでしょう。

パンと一緒に食べるなら、ゴーダの中でも若いものがおすすめですが、合わせるパンは、ライ麦が多めに入ってしっかりした食感のパン・オ・セーグルが美味しい。

ゴーダのみっちり詰まった組織とこっくりとした味は、パン・オ・セーグルのぎゅっと詰まったクラムとライ麦の豊かな風味がお互いに負けることも無く絶妙なバランスと一体感。相乗効果が生まれます。組織の質感と重さ、味わいの濃さを揃えるのがポイントです。

パンオセーグル

食べる時は、薄く切ったライ麦パンにバターを塗り、ゴーダのスライスをのせるか挟んで。しっかりと噛みしめるように味わうと、チーズとパンの味がバランス良く混ざり合ってとても美味です。
 
誰でも食べやすい味と、使い勝手の良さが魅力のセミハードタイプチーズ。パンは、生地自体にしっかりした味わいがあるものが良く合いますので、今回ご紹介したもの以外でも、少しライ麦粉や全粒粉の入ったタイプと合わせて楽しんでみて下さいね。

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小笠原由貴さん(チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰)

旅行会社勤務を経て渡米。料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。Simple & Natural をモットーとするレシピに質の良い食材は欠かせず、美味しいものを求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、チーズについての記事を執筆。スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。