
かな姐さん
若いころに半年間くらい、旅行会社の添乗員のアルバイトをしていたことがあります。
旅先は国内のみ、飛行機で鹿児島や北海道に行くこともありましたが、普段はバスツアーが圧倒的に多く、中国四国九州、近畿北陸などなど、おじいちゃんおばあちゃんたちの団体ツアーについていくのがお仕事でした。
添乗員をしていたというと、よくバスガイドさんと間違われますが、添乗員は旅行会社の人、ガイドさんはバス会社の人で、別なのです。
前日に社員さんが手配してくれているすべての立ち寄り箇所への電話での確認作業と、バスの座席表づくり、当日は朝早く駅に立ってお客様にバッチを手渡して名簿との照らし合わせ、バスに乗った後はマイクでご挨拶がわりにちょっとした小話をひとつ、その後はバスの補助席にて、ガイドさんの話を聞きながら車窓の景色を楽しみ、ツアーの立ち寄り先で入場料を支払ったり、昼食場所で食事代を支払ったり…… 宿泊先のホテルでのツアーの皆様の宴会での盛り上げ役などなど、が主な仕事でした。
バイト代は安いし早起きは辛かったけれど、日本全国いろんな土地へ行けるのが楽しかったあの頃。
お客様はほぼ定年退職した老夫婦や、おば様たちの仲良しグループなどで、小娘添乗員は孫娘のように大変可愛がってもらったものです。
さてさて、そんなわたしがいっちばん最初に、添乗員デビューした一泊二日の旅が山口県へのバスツアーでした。
この時のツアーは、募集人数に対して半分くらいのお申込みしかなかったせいで、大型バスの手配ができず、20人程度が乗れるマイクロバスでした。
お申込み人数に達しなかったので、なんとガイドさんも無し! 旅行会社の社員さんから「今回ガイドさんがいないから申し訳ないけどお願い!」と、山口県のガイド本を何冊か預かり、たったの2日くらいでそれらを猛暗記!!
がしかし、バスの中ではマイクを持つのも恥ずかしくてほぼほぼ無言だったという、ほろにが~い思い出があります……(それを微笑んで許してくれた、あのときのお客様には感謝しかありません)
山口といえばあの時のバスツアー、そしてそんな山口のかまぼこといえばわたしにとってはとても懐かしい思い出に結び付く食べ物なのです。
というわけで、今回送っていただいたのは山口の宇部のかまぼこ!

普段我が家では、ちくわやカニカマは買うことはあっても板かまぼこはあまり買わない、というかお正月以外で買うことは無いかも?ということで、選んでみました。
せっかくのかまぼこですから、やはり生食がおすすめ。白身魚のほのかな甘みと旨味が感じられ、その食感ももちもちムチムチとしていて噛むごとに味わいが広がり、とーっても上品で美味しいかまぼこでした!
最初はぜひ味付けなしでかまぼこ本来の味をゆっくり楽しんでいただき、その後、わさび醤油など少しずつ味わいを変えながらいただくのがおすすめです!
というわけで、ちょっとだけ和風寄りに仕上げた、かまぼこで作るカルパッチョです。
彩りを意識して香味野菜を選んでみましたが、想像していた以上に華やかな一皿になりました。カルパッチョとはいえ、お醤油を使用しているのでなじみ深い味わい。これは年配の方をお招きするときの一皿にも良いのではないかと思います。
「お刺身かまぼこのカルパッチョ風」のレシピ
■材料
・かまぼこ 1本
・紫玉ねぎ 1/4個
・大葉 5枚
・エキストラバージンオリーブオイル 適量
・醤油 小さじ1~
・ブラックペパー 少々
■作り方
1. 紫玉ねぎはみじん切りにして水にさらして辛味をぬき、水気をしっかり絞る。大葉は千切りに、かまぼこは板から外して5ミリ幅に切る。

2. 皿にかまぼこを並べ、紫玉ねぎと大葉をのせ、エキストラバージンオリーブオイル、醤油、ブラックペパーを振りかける。食べるときによく混ぜる。

その他にも、薄~く極限まで薄くスライスしてお吸い物に入れたり、きゅうりとしらすの酢の物に入れたり、いろんな食べ方で楽しめました。ぜひ、宇部のかまぼこでお試しくださいね!