子どものころに、母の知り合いが母国のスイス料理のお店をオープンするというので、食べに連れて行ってもらったことがありました。むか~しむかし、昭和のころのお話です(笑)。
スイスで名物だという「チーズフォンデュ」というものを生まれて初めて食べたのがこの時で、見知らぬ外国のお料理に驚きつつも、トロトロに溶けたチーズをフランスパンに絡めて食べるというお料理に感動して、おなか一杯に食べたのを覚えています。
ハイジが山でおじいさんと一緒に食べていたあのチーズとパンなのだなあ~と、当時子ども心に思ったのですが、自分が食べたことのないものとの新しい出会いっていいですよね。48になった今もまだ、「食べたことがないもの」や「食べた時の感動」を追い求めている気がします。
さてさて、そんなわけで今月わたしが送っていただいた品は、特別なチーズ! モンドールというフランスのチーズです。
生産時期が8月15日~3月15日、販売期間は9月10日~5月10日までと限定されている、まさにこの時期しか食べることができない特別なチーズで、日本だけではなく世界中でファンたちがこの時期が来るのを心待ちにしているのだとか。
昔はわざわざフランスにまで食べに行かないといけなかったのに、今ではお取り寄せして自宅で楽しめるようになったなんてほんと便利な世の中になりましたよね~
モンドールは、外側の皮が少し厚めでオレンジ色、まるで蓋を開けるように上の皮を切り取って開けますと、中は滑らかで乳白色、トロリとした状態のチーズが現れます。
大変やわらかいチーズなので、出荷するときはエピセアの木箱(もみの木のことなんですって)に入っているのが特徴。
はちみつを食べるかのようにひとさじスプーンですくって食べてみますと、まるでバターのようなコクと濃厚でミルキーな味わい、癖もなく、ほのかな木の香りやナッツのような香ばしい香りが混じった、めちゃくちゃおいしいチーズでした!
実はこのチーズ、数年前に品川にあったお気に入りのビストロで、そこで仲良くなったソムリエさんにひとさじお味見させていただいたことがあったのですが、日が経つにつれ熟成度合いが増すので、その時々によってチーズの味わいが変わるのも大変面白いものなのです(って、その時にソムリエさんに教えてもらいました)。
常温でとろとろのチーズって!!!すごい!!! これをそのままバゲットやクラッカーに乗せて食べるのも良き、はちみつを添えて食べるのも良き、ワインに合わせるとさらに良き! 切り取った上の皮はとっておき、チーズが残ったらまたこの蓋をして保存しておくこともできます。
今回はこのモンドールを使って、チーズフォンデュを作ってみました。
作り方は簡単! 上を切り取ったモンドールは、木箱の周りをアルミホイルで巻き付けて準備します(そのまま焼くと木箱が燃えちゃうので、ご注意くださいね)。
これに白ワインを大さじ1~2くらい加えて、トースターへ。ぐつぐつとしてきたら取り出し、用意したバゲットやお野菜、ウインナーなどに絡めて食べます。
バゲットが一番合うのはわかっているのですが、ダイエッターとしては糖質がちょっと気になるので、今回合わせたのは高野豆腐で作ったラスク。これならば糖質がかなり低いですし、おなかにもしっかりたまるのでダイエット中でもチーズフォンデュが楽しめますよ。
「ダイエット中でもお腹いっぱい! 期間限定のチーズを使ったチーズフォンデュ」のレシピ
■材料(8枚分)
・高野豆腐 2枚
・オリーブオイル 大さじ2
・塩 少々
・ニンニク 1片
・ドライパセリ 少々
・モンドール お好みの量
・そのほか、温野菜やウインナーなど
■作り方
1. ボウルに水を入れて高野豆腐を浮かべ、2分ほど放置する。しっかり水分を含んだら両掌で挟んで水気を絞る。これを二等分にし、さらに厚みを半分に切る。
2. フライパンにオリーブオイルをひいて中火にかけ、1の高野豆腐を並べてひっくり返しながらしっかり両面きつね色になるまで焼く。焼きあがったら熱いうちにニンニクの切り口をこすりつけて香りをつけ、塩とパセリを振りかける。
3. モンドールは上の皮の部分を切り取り、木箱の表面をアルミホイルで覆う。蓋にしていた部分の皮は3センチ角くらいに刻んで中に入れ、白ワインを入れてトースターに入れ、ぐつぐつしてくるまで5分ほど焼く。
4. 2の高野豆腐のラスクに3のチーズをのせていただく。
途中で冷めてきたら、その都度、またトースターに入れて焼きながら食べました。さらに残ったチーズは全部刻んで、グラタンのチーズに使用しました。めちゃくちゃおいしいグラタンになりました!
期間限定のとっておきのチーズをお探しでしたら、ぜひお試しください。