こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。「ついつい食べたくなってしまうような、おいしくてかわいい和菓子」をご紹介するこの連載。第31回目は、和歌山・菓匠 二宮の「鬪雞神社まんじゅう」を紹介します。
やってきました、2021年!今年もどうぞよろしくお願いします。去年はいろんなことが起こった年だったからこそ、新しい年を迎えられることにとても喜びを感じています。
今回は今年も頑張るぞ!という新しい気持ちにぴったりな和菓子を紹介します。菓匠 二宮は昭和9年に創業した和歌山、田辺のお店。地元の名物にちなんだお菓子がたくさんあります。
地域に根付いた銘菓
そんな菓匠 二宮を見つけたきっかけは、大好きな南方熊楠をモチーフにしたおまんじゅうがあったから。南方熊楠は生物学者や民俗学者であり、とても頭が良かったことからたくさんの逸話が残っています。
そんな南方熊楠にちなんだ“南方熊楠っまんじゅう”は、南方熊楠が好きだったあんぱんがモチーフ。マッチ箱に見立てられたパッケージは研究していた粘菌を探そう!というコンセプトで楽しくかわいいものになっています。
そして今回紹介するのは、「鬪雞(とうけい)まんじゅう」。2016年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして登録された鬪雞神社がモチーフになっています。
鬪雞神社はその昔、源平のいずれに味方するか決めるため、武蔵坊弁慶の父とされる熊野別当湛増が紅白の鶏を神前で戦わせたことからこの名前がつきました。菓匠 二宮は鬪雞神社の参道に面し、古くからご参拝客の休憩所としても親しまれているんだそうです。
かわいいの連続! 遊び心溢れるパッケージ
まずはなんといっても包装紙がかわいいんです! にわとりや梅が描かれたポップな包装紙は開けるのがもったいないほど……!
そして、包装紙を開けて出てきたのはこれまたかわいいにわとりのイラストの箱。紙相撲ができる付録付きなのも遊び心があって楽しいです。
箱を開けるとお行儀よく並んだ紅白のにわとりさんの登場です! ううう、かわいい!!!! “紅白”というだけでとってもおめでたい気持ちになれます。
そして、おまんじゅうにはにわとりの顔が。丸みを帯びた三角形がころんとかわいらしく食べるのがもったいない!
紅白のにわとりはそれぞれあんこの味が異なり、白は柚餡、赤は梅餡が入っています。どちらのあんこも主張しすぎず、後味としてふわっと口に残る、爽やかな香り。外側はしっとりとしていながらほろっとした優しい生地で、煎茶はもちろん、コーヒーや紅茶にもぴったりなおまんじゅうです。
さぁ、今年はどんなことが待っているでしょう! みんなが健康で、そしておいしい1年を過ごせたら嬉しいです。